会津史談会

会津史談会について

会津史談会（あいづしだんかい）は、福島県に位置する会津の歴史を伝承することを目的とした団体です。この同好団体は、地域の歴史や戊辰戦争に関する研究や発表を行い、老舗の講演会や出版物を通じてその知識を広めています。

概要と歴史

会津史談会は昭和5年（1930年）に、当時の郷土史家9人によって設立協議が行われ、翌年の昭和6年（1931年）に正式に発足しました。初めて発行された会報には、西郷頼母の著作『栖雲記』が掲載されており、創刊号は手書きで作られた珍しいものでした。今では年に数回、会津史談や「会津史談通信」といった会報を発行し、地域の歴史に関する情報を提供しています。

会の活動は多岐にわたり、史資料の保存や先人の顕彰、地元の史跡調査なども行われています。定期的に開催される講演会では、専門の講師を招き、参加者に対してさまざまな歴史的テーマが語られています。

出版物と賞

会津史談会は数多くの出版物を発行しており、代表的なものには「会津史談」と「会津史談通信」があります。これらの資料は会員による研究活動の成果を広める重要な役割を果たしています。特に「会津戦争のすべて」という本は、1980年に出版され、会津の歴史に関心を寄せる人々にとって貴重な資料となっています。

また、宮崎十三八の死後、彼の遺産をもとに設立された「会津史談賞」は、優れた歴史研究に対して贈られる賞として、現在に至るまで続けられています。この賞を受けた作品は、地域の歴史をより深く理解するための重要な参考資料となっています。

会員と執筆活動

会津史談会には、多くの著名な作家や歴史研究者が会員として参加しています。たとえば、中村彰彦や星亮一、好川之範などがその代表的なメンバーです。また、宮崎十三八は「会津戊辰戦争史料集」の出版に寄与し、歴史的資料の整備にも精力的に取り組みました。

さらに、会員による執筆活動も盛んで、多くの書籍が歴史春秋社や新人物往来社などから出版されています。これらの作品には、会津地域の歴史を深く掘り下げたものが多く含まれています。

メディアへの貢献

会津史談会は、メディアへの協力も行っています。1986年に日本テレビ系で放送された『白虎隊』には、会津史談会とその会員が協力し、2007年のテレビ朝日系の同名の作品にも関与しています。このように地域史の普及活動は、メディアを通じても展開されています。

各部の活動

会津史談会は特定の部門に分かれており、総務部、調査部、寺社研究部、研修部、出版部の各部で独自の活動を行っています。たとえば、寺社研究部は会津寺院風土記の編集を行っており、調査部は実地調査を行っています。研修部では古文書の講座なども開催され、地域の歴史を学ぶ機会を提供しています。

このように、会津史談会は地域の歴史を守り、伝えるために多角的な活動を展開しており、会津の学問と文化の発展に寄与し続けています。

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