会津鉄道AT-500形気動車

会津鉄道AT-500形気動車

会津鉄道AT-500形気動車は、会津鉄道が2004年に導入した特別な気動車の一つであり、従来のAT-100形、AT-150形、AT-200形の後継車両として開発されました。この車両は、新潟トランシスによって製造されたもので、二両が一度に製造されています。

概要

AT-500形は、両端に運転台を備え、片側に二つのドアを持つ設計になっています。このモデルはトイレを含まないタイプで、トイレ付きのAT-550形も同時に製造されました。特に重要な点は、1987年に会津線が第三セクターに転換されて以来、これまで使われていた旧型車両の代替として導入されたことです。

車両の構造

車体

AT-500形の車体は、新潟トランシスの地方交通線用気動車であるNDCを基にしており、全長は18,000mmになっています。これは、先代のAT-100形から約2,200mm延長されています。運転室は左隅式で、正面には貫通扉が設置されています。さらに、ワンマン運転に対応するための設備も整っています。客用ドアは従来のモデルよりも150mm広い1,000mmの幅で、運転室の直後と反対側の車端にそれぞれ設置されています。

車内の中央部分には、4人掛けボックスシートが8組配置されており、その他のスペースはロングシートになっています。空調設備は冷房がダクトから供給される方式となっており、室内灯も2列設けられています。

走行装置

この車両にはカミンズ製の直列6気筒N14Rディーゼルエンジンが搭載されており、定格出力は257kWです。動力はTACN-33-1603の液体変速機を経由して台車へ伝達されます。前位側の台車は動台車のNF01AD、後位側は従台車のNF01ATで構成されています。ボルスタレス空気ばね式の設計が採用され、制動装置は電気指令式空気ブレーキが導入されています。

車歴と運用

AT-500形気動車は、非電化の会津線及びJR東日本の只見線において、普通列車として運用されています。この車両は、その運用の中で様々なデザインに変更されてきました。例えば、AT-501とAT-551は一度、「ふるさと列車」としてテーマが設定され、特別なデザインとなりました。その後、一般的な塗装に変更されたり、絵本作家によるデザインに刷新されたりしています。

特にAT-551は、2018年からあべ弘士氏による線画デザインの「南会津子供プロデュース号」として運行され、2022年には映画「劇場版にゃん旅鉄道」のデザインに変更されました。また、AT-501は2023年にはAT-100形のリバイバルカラーに変更されています。

AT-525およびAT-552も、当初は野口英世に関連したラッピングが施されていましたが、後に一般公募による新しいラッピングが行われています。

これらの気動車の導入によって、旧型車両の中からAT-200形やAT-100形、AT-150形が廃車され、その役目を終えました。こうしてAT-500形とAT-550形は、地域交通の重要な役割を担い続けています。

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