会計参与

会計参与制度について

概要

会計参与（かいけいさんよ）とは、株式会社の特定の役割を指し、定款に基づいて設置される機関です。主に取締役と協力しながら計算書類を作成する責任を負います。この制度は2006年に施行された会社法によって新たに設けられたものであり、特に中小企業の透明性を図るために導入されました。

沿革

以前の監査制度は大企業にのみ適用されていましたが、中小企業の計算書類の適正性に対する問題が残っていました。これを受けて2003年に「会社法制の現代化に関する要綱試案」が発表され、小会社における会計監査人の任意設置を認める案が含まれました。その後、2004年に会計参与制度が提案され、2005年には正式に会社法の一部として公布されるに至りました。この経緯から、会計参与制度は設立されました。

会計参与の設置

株式会社は、定款に従い会計参与を置くことが可能です。ただし、特定の条件下にある非公開会社の場合、会計参与の設置は義務付けられています。また、特例有限会社は会計参与を設置することができません。

資格要件

会計参与となるには特定の資格が求められます。具体的には、公認会計士、監査法人、税理士、または税理士法人に属している必要があります。これらの法人は、会計参与として適任とされる社員を選び、株式会社にその旨を通知する義務があります。また、特定の条件を満たさない者（例えば、業務停止処分を受けた者）は、会計参与になることができません。

法的関係

会計参与と株式会社の関係は、民法の委任に関する規定に基づきます。従って、会計参与は職務を遂行する際に善由注意義務を負います。

会計参与の選任・解任

会計参与は株主総会の決議により選任され、その任期は選任された年度末の定時株主総会終了時までと定められています。解任についても同様に株主総会の決議が必要で、選任や解任に際しては、会計参与自身の意見を述べる機会も与えられます。

職務内容

会計参与は、多岐にわたる職務を担っています。具体的には、計算書類の作成、会計帳簿の監査、必要な報告義務、さらには取締役会や株主総会への出席義務が含まれます。これらの職務を通じて、会計参与は企業の財務状況を正確に反映させる役割を果たします。

責任

会計参与は、株式会社に対して法的な責任を負っています。また、第三者に損害を与えた場合、これについても賠償責任があります。職務を遂行する際、善意かつ重大な過失がなかった場合、会社に対する責任を一部免除される可能性もあります。責任の限定契約も可能であり、実際の業務運営において柔軟な対応が求められます。

まとめ

会計参与制度は、中小企業における計算書類の透明性と適正性を確保するために重要な役割を果たしています。法令に基づく適切な運用が求められますが、正しく機能することで企業の信頼性を高める要因といえるでしょう。

もう一度検索