会計検査院 (琉球政府)

琉球政府会計検査院

琉球政府会計検査院は、琉球政府の行政主席の所轄下に置かれた行政組織であり、政府や関連の公社などの決算検査を主な任務としていました。1953年に琉球政府行政委員会の会計検査委員会として発足し、1957年に会計検査院と改称されました。

組織

会計検査院は、3人の検査官で構成されていました。検査官の任期は5年で、再任は1回のみ可能でした。検査官は、立法院の同意を得て行政主席が任命しました。職員の研修のため、本土の会計検査院や台湾の監察院審計部に職員を派遣し、会計検査の技術を習得させました。

主な任務と権限

会計検査院の主な任務と権限は以下の通りです。

必須検査事項
政府の毎月の収入支出
政府の所有する現金および政府有財産の受払
政府の債権の得喪または債務の増減
琉球銀行が政府のために取り扱う現金または有価証券の受払
政府が資本金の2分の1以上を出資している法人の会計
法律により会計検査院の検査に付すると定められた会計
任意検査事項
政府が所有または保管する物品および有価証券、または政府が保管する現金
政府以外の者が政府のために取り扱う現金、物品、または有価証券の受払
政府が直接または間接的に補助金、奨励金、助成金などを交付、または貸付金、損失補償などの財政援助を与えているものの会計
政府が資本金の一部を出資しているものの会計
政府が資本金を出資したものがさらに出資しているものの会計
政府が借入金の元金または利子の支払いを保証しているものの会計
政府の工事請負人および政府に対する物品納入者の契約に関する会計

本土の会計検査院との違い

日本の会計検査院は、内閣から独立した機関であり、日本国憲法と会計検査院法によってその独立性が保障されています。一方、琉球政府の会計検査院は行政主席の所轄下に置かれており、本土の会計検査院ほどの独立性はありませんでした。この点が、両者の大きな違いと言えるでしょう。

復帰後の動き

沖縄返還後、琉球政府会計検査院は沖縄県監査委員に移行しました。

参考文献

玉盛隆起『琉球政府会計検査院史』経済調査会出版部、1976年
照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。

関連項目

琉球政府
行政主席

外部リンク

沖縄県公文書館

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