行政主席

行政主席

行政主席（ぎょうせいしゅせき、英：Chief Executive of the Government of the Ryukyu Islands）は、琉球政府の行政府を指導する重要な役割を担った職位です。琉球政府の行政権はこの行政主席に属していましたが、実際には米国民政府がその権限を握っていたため、完全な自治は実現されていませんでした。この状況は、日本に返還される1972年まで続くこととなります。

地位と職務

この役職は、米国民政府の布告と章典に基づいて設けられた独任制の機関です。行政主席は琉球政府公務員法の適用外であり、他の職務との兼業は法律によって厳しく制限されています。特別職として、琉球政府の公式な代表でもあります。

就任資格

行政主席に就任するには、いくつかの条件があります。まず、35歳以上であり、少なくとも5年間琉球に居住し続けなければなりません。さらに、戸籍を持っていることが求められ、犯罪歴、特に贈収賄や偽証、その他の破廉恥罪がないことが必要です。

職務と権限

行政主席は、琉球政府内の各部署を効果的に管理運営する責任を負っています。また、米国民政府の承認を受けた上で、職員の任命を行うことができます。立法会からの委任がある場合には、その法律を施行するための規則を策定する権限も持っています。

議会との関係

行政主席は、立法院が提出した立法案（予算案含む）に異議がある場合、理由を付して立法院に返送することができます。これは拒否権の行使にあたりますが、立法院が3分の2の賛成で再議決した場合には、その決定を米国民政府の民政副長官の介入を待つ必要があります。なお、行政主席は法案を提出する権利や議会の解散権を持たず、これは地方自治体の知事や市町村長の権限とは大きく異なる点です。

選出方法の変遷

行政主席の選出方法は、時代により変わります。1952年から1957年までは、米国民政府が直接任命していました。その後、1957年から1961年にかけては、立法院の代表者の推挙を基に米国民政府が任命しました。1962年から1965年にかけては、立法院が米国民政府が受諾可能な者を指名する方式に移行し、1965年から1968年にかけては立法院議員による間接選挙が行われました。そして、1968年から1972年までの間は住民による直接選挙が実施されました。

行政主席の一覧

現行の情報を参照にすると、いくつかの歴代の行政主席が確認されています。

参考文献

• - 照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』（1984年）

関連項目

• - 行政副主席
• - 行政主席選挙
• - 行政主席選挙法
• - アメリカ施政権下の沖縄の法令
• - アメリカ合衆国による沖縄統治
• - 沖縄県知事

外部リンク

• - 琉球文化アーカイブ
• - 沖縄県公文書館

ウィキメディア・コモンズには、行政主席に関する素材があります。

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