伯母峰峠

伯母峰峠について

伯母峰峠（おばみねとうげ）は、奈良県の吉野郡川上村と上北山村の境にそびえる、自然豊かな峠です。この峠は吉野川と北山川の分水嶺として知られており、周囲の美しい風景とともに、訪れる人々に深い歴史と文化を感じさせます。

交通とトンネルの歴史

伯母峰峠を直接通るのは登山道のみであり、自動車を利用する際は国道169号が主要なルートとなります。この国道は1966年に新伯母峰トンネルの供用が開始されたことにより開通しました。新伯母峰トンネルは延長1,964メートルで、周辺の交通の便利さを大いに向上させています。

以前は1940年に供用を開始した旧伯母峰トンネルが存在しましたが、新トンネルの開通に伴い役目を終え、現在は北側の坑口が閉じられているため、通行は不可能です。しかし、新たなトンネルの建設が進行中であり、老朽化が進む新伯母峰トンネルに代わる新施設が期待されています。2016年から始まった伯母峯峠道路の事業は国の権限代行事業として進められており、2018年には起工式が行われました。

伝承と神話

伯母峰峠は、地域の伝承においても興味深いストーリーを生んでいます。「一本足のたたら」という妖怪の物語があります。この伝説は、近くの天ヶ瀬に住む武士、射場兵庫が山狩りをしていた時に始まります。彼は背中に熊笹が生えた猪を射止めましたが、その数日後、同じような怪物が湯の峰温泉に現れ、自分は射場兵庫が討った亡霊だと名乗りました。

この亡霊は、湯治に来ていた野武士に犬と鉄砲を借りようと頼みましたが、断られます。すると、彼は「一本足の鬼」と化し、伯母峰峠を通る旅人を襲うようになりました。その後、丹誠が伯母峰地蔵尊を勧請し、経堂塚に経文を埋めることでこの鬼を封じたとされています。

周辺の名所

伯母峰峠の近くには、伯母ヶ峰山があり、訪れる際にはぜひ立ち寄りたいスポットです。自然豊かな環境とともに、山の美しい風景を楽しむことができます。峠を訪れた際には、このような自然の恵みを受けながら、歴史と文化が息づく地を体験していただきたいと思います。

参考文献

この記事の情報は、日本歴史地名大系（オンライン版）小学館からのデータを基にしています。日本の歴史や地名について更に学びたい方には、ぜひ参考にしていただきたい資料です。

関連項目

さらに、 伯母峰峠の近くには奈良県道40号大台ケ原公園川上線があり、この道路の近くには大台口隧道も存在します。これらの道を通じて、一層多くの自然と歴史に触れることができるでしょう。

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