伴大介

伴大介：特撮ヒーローから名優への軌跡

伴大介（ばん だいすけ）氏は、1947年5月5日生まれの日本の俳優です。本名は斉藤清憲（さいとう きよのり）。埼玉県川口市出身で、埼玉県立蕨高等学校、明治大学文学部を卒業しています。

俳優としての歩み

高校時代から演劇活動を始め、明治大学卒業後、劇団NLTの研究生としてキャリアをスタートさせました。地方公演などを通して経験を積み、1972年に放送開始された特撮テレビドラマ『人造人間キカイダー』で主人公・ジロー／キカイダー役に抜擢され、本格的に俳優デビューを果たします。この際、原作者の石ノ森章太郎氏から「伴大介」という芸名を授けられました。

続く1973年には『イナズマン』で再び主演を務めますが、この時、姓名判断を理由に「伴直弥」（ばん なおや）に改名。しかし、石ノ森氏や東映スタッフに事前に報告せず独断で行ったこの改名は、激しい反発を招き、特に名付け親である石ノ森氏からの怒りは相当なものだったようです。『キカイダー01』には改名後も「伴大介」名義で出演しています。

1976年の『忍者キャプター』では三度目のヒーロー役を演じますが、スタッフとの間に誤解から確執が生じ、『特捜最前線』へのレギュラー出演がキャンセルとなるなど、しばらく東映作品への出演が叶わなくなります。1979年、2年ぶりに東映作品『バトルフィーバーJ』のバトルコサック役で復帰しました。

1997年、『キカイダー』25周年を機に芸名を「伴大介」に戻し、石ノ森氏に報告。石ノ森氏も快く承諾したといいます。改名理由について、伴氏は占いで大怪我をすると言われたためと説明しています。翌年、石ノ森氏が他界した際には、生前に芸名を戻して報告できたことを安堵の気持ちとともに語っています。

1990年代以降は、鶴田法男監督作品への出演が増え、『リング』シリーズでは貞子の父親役を演じるなど、幅広い役柄に挑戦。一時期体調を崩して痩せ細るなどありましたが、2008年頃には回復しています。2014年には『キカイダー REBOOT』に出演し、新旧ジロー共演という話題も呼びました。近年では、ハリウッド映画『Go For Broke』にも出演するなど、国際的な活躍もしています。

人物像とエピソード

『人造人間キカイダー』の主演は、プロデューサーの妻が数人の候補者写真の中から伴氏を選んだことがきっかけでした。「子供に夢を与える仕事」という強い信念を持ち、子供を裏切らないという姿勢を貫き通しました。

『キカイダー01』と『イナズマン』で同時進行していたため、「双子ですか？」とファンレターで質問されたこともあったそうです。共演者である池田駿介氏の死去（2010年）の際には追憶文を寄稿しています。

他の作品では、プロデューサーからの要望と自身の役者としての考え方の違いから、衝突しそうになった経験もあると語っています。また、『忍者キャプター』の衣装にも最初は抵抗があったものの、次第に慣れ、食事に出かけるほどになったエピソードも披露しています。

宮内洋氏とともに「東の横綱・宮内洋、西の横綱・伴大介」と称されるほど、多くのヒーローを演じ、その後も様々な役柄を精力的に演じ続けている伴大介氏。華やかな宮内氏とは対照的に、地味ながらも徹底した役作りで、多くのファンを魅了し続けています。

趣味は読書、映画鑑賞、音楽鑑賞。特技は歌唱。既婚歴があり、一男をもうけたのち離婚しています。40代、50代は病気による活動制限もあったようですが、現在は克服しています。

出演作品

伴大介氏は、テレビドラマ、映画、オリジナルビデオ、舞台など、多岐にわたる作品に出演しています。主な作品には以下のようなものがあります。（ここではすべてを網羅できません）

テレビドラマ：『人造人間キカイダー』、『キカイダー01』、『イナズマン』、『忍者キャプター』、『バトルフィーバーJ』、『特捜最前線』、『リング』シリーズなど多数。

映画：『飛び出す人造人間キカイダー』、『リング』シリーズ、『キカイダー REBOOT』など。

その他：CM、舞台、ナレーション、著書など。

数々の作品を通して、その存在感を示し続けている伴大介氏。今後も、俳優としてさらなる活躍が期待されます。

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