劇団NLT

劇団NLTについて

劇団NLT（げきだんエヌエルティー）は、日本の演劇界で重要な位置を占める劇団であり、1964年に三島由紀夫によって設立されました。元々の母体は「NLT（Neo Littérature Théâtre）」という名称の劇団であり、設立当初は文学座から脱退したメンバーによって形成されました。創立メンバーには青野平義、賀原夏子、中村伸郎、南美江などが名を連ね、彼らは演劇の新しい可能性を追求していました。

変遷とステージでの活動

劇団CLTは、設立から数年後、1968年に三島らが脱退し、その後「劇団NLT」として名称変更が行われました。この時点から、劇団は喜劇専門のスタンスを採用し、以降、フランス喜劇の影響を受けたコメディ路線を進むことになります。賀原を中心とした新しい路線のもとで、演劇の幅を広げ、観客に喜ばれる作品を数多く上演してきました。

特に、劇団NLTは独自のスタイルを確立し、多くの喜劇作品を手掛けていきました。1972年には「池袋アートシアター」がリフォームされる際に協力をし、現在の「シアターグリーン」と名付けられた劇場も劇団の活動の一環として利用されています。このように、劇団NLTは演劇の発展に大きな貢献を果たしてきました。

賞と受賞歴

劇団NLTは、そのクオリティの高さから数多くの賞を受賞しており、1965年の「サド侯爵夫人」においては芸術祭演劇部門賞を獲得するなど、実績があります。また、演技の優れた俳優にも多くの賞が授与されており、演劇の界隈で高く評価されてきました。例えば、村松英子は「リュイ・ブラス」で第1回紀伊国屋演劇賞を受賞し、中村伸郎も「朱雀家の滅亡」で同じく受賞しました。

所属俳優

劇団NLTには多くの才能ある俳優が在籍しています。男性、女性それぞれ多様な俳優が所属しており、特にコメディで培った演技力は高く評価されています。また、演出部や文芸演出部には著名な作家や翻訳家が名を連ねており、彼らの力もあって、劇団NLTは豊かな作品群を生み出しています。

新劇作の育成

2015年には、NLTコメディ新人戯曲賞が設立され、新しい作家の発掘と育成を目指しています。この賞を受賞した作品は毎年春に上演される機会を得ており、戯曲の質を高めるための努力が続けられています。受賞者には再応募枠もあり、作品をブラッシュアップする土壌が整えてあります。これにより、次世代の劇作家が育ち、劇団NLTの未来を支える人材となることが期待されています。

まとめ

劇団NLTは、日本の演劇界で重要な役割を果たし続けており、喜劇を中心に多彩な作品を上演しています。過去の成功と賞歴を持ちながらも、新しい作家や俳優の育成にも力を入れつつ、常に進化し続ける劇団として、多くの観客に愛される存在です。演劇に情熱を注ぎ、新たな挑戦を続けている劇団NLTの今後の活動にも期待が寄せられています。

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