伴銀河

伴銀河とは

伴銀河（Satellite galaxy）は、重力的な相互作用により、より大きな銀河の周囲を公転する銀河のことです。銀河は、恒星、惑星、星雲など、互いに重力的に束縛された多数の天体から構成されており、その重心を中心として回転運動をしています。

複数の銀河が互いに重力的な影響を及ぼし合っている場合、質量に大きな差があると、大きい方の銀河を「親銀河」、小さい方の銀河を伴銀河と呼びます。一方、質量が同程度の銀河同士は連星系を形成しているとみなされます。伴銀河は親銀河の重力に束縛され、その周囲を公転する衛星のような存在です。

伴銀河の合体

銀河同士の合体現象は宇宙では珍しいことではありません。質量がほぼ同じ銀河同士の合体は「メジャー・マージャー」と呼ばれ、銀河の形態や進化に大きな影響を与えます。一方、伴銀河が親銀河に飲み込まれるように合体する現象は「マイナー・マージャー」と呼ばれます。マイナー・マージャーは、親銀河の構造を変化させたり、星形成活動を活発化させたりする可能性があります。

銀河同士が衝突すると、それぞれの銀河の形状は大きく歪められます。崩壊、融合、引き裂きなどが起こり、内部の天体の配置も大きく変化します。ただし、銀河は非常に広大な空間であり、そのほとんどが空虚であるため、銀河同士の「衝突」といっても、構成する星やガス雲などの天体同士が直接ぶつかり合うことは稀です。

銀河系の伴銀河

私たちの銀河系（天の川銀河）にも、多数の伴銀河が存在します。有名なものとしては、大マゼラン雲、小マゼラン雲などがあります。これらの伴銀河は、銀河系の重力によって徐々に引き寄せられ、いずれは銀河系に吸収されると考えられています。伴銀河の研究は、銀河の形成と進化の過程を理解する上で重要な手がかりとなります。

参考文献

谷口義明『クェーサーの謎 : 宇宙でもっともミステリアスな天体』講談社〈ブルーバックス〉、2004年。ISBN 4-06-257458-6。

関連項目

銀河系の伴銀河一覧
銀河潮汐力

外部リンク

伴銀河 - コトバンク

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