似島

似島の概要

似島（にのしま）は、瀬戸内海の広島湾に位置する島で、広島県広島市南区似島町に属しています。この地域の最南端にコマを見立てたように存在し、広島市内の島としては最大の面積を持ちます。2018年のデータでは、島の人口は797人、世帯数は498にのぼり、郵便番号は734-0017です。

地理的特徴

似島は広島港から約3キロ[[メートル]]南にあり、北側には「安芸小富士」と呼ばれる山がそびえています。この山は高さ278メートルで、広島市街や湾岸からでも見ることができます。また、島は一般的に平地が少なく、山岳地形が特徴的です。南側には美しい天然砂浜と干潟が広がり、自然愛好者にとっての憩いの場となっています。

歴史

似島は江戸時代には「荷の島」として知られ、港として賑わっていました。当時、広島湾が遠浅なため、大型船が直接岸に入れず、この島を経由して荷物が運ばれていたのです。昔の文献には「二の島」「見の島」といった表記が見られ、後に「富士山に似た山がある島」として定着しました。

島の行政区分は1929年に広島市に編入され、その後1933年に似島町が新設され、現在に至ります。1895年から第二次世界大戦終了までの期間、陸軍の似島検疫所が存在し、当時の施設が島に今も残っています。また、第一次世界大戦中にはドイツ人捕虜も収容され、彼が焼いたバウムクーヘンが日本初とされているエピソードも有名です。

1945年の原爆投下後、検疫所は臨時の野戦病院として活用され、たくさんの被災者が似島に運ばれました。これにより、島には多くの亡くなった方が眠っており、慰霊碑も建てられています。

交通アクセス

似島へのアクセスは船に依存しています。島の西側には「似島港」が、東側には「似島学園前桟橋」があり、それぞれ広島港との定期航路があります。特に似島汽船はカーフェリーを運航し、約20分で島に到着します。バンカー・サプライの高速船はさらに短い15分で結ぶことができますが、島内にはバスやタクシーはなく、自転車の貸し出しが行われています。

観光と文化

似島では魚釣りや海水浴、みかん狩りなど、さまざまなアクティビティが楽しめます。安芸小富士からは広島市中心部を一望でき、景色を楽しむことができます。また、1749年に建立された荒神社や家下地区の浜の宮といった歴史的な名所も地域の魅力です。さらに、似島学園は福祉の拠点として、原爆の悲劇を忘れないための教育も行っています。

文化的側面

似島では地元の方言や文化が色濃く残っており、例えば盆踊りや口説歌には独自の形式があります。また、一部の映画や作品の舞台にもなったことがあり、訪れる人々にとって特別な思い出を提供してきました。

このように、似島はその歴史、自然、文化、そして人々の営みが交差する豊かな地域です。訪問者は、現代の喧騒から離れ、静かな島生活の中に触れることができる独特の体験を得られるでしょう。

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