伽藍神

伽藍神は、寺院の守護神であり、その役割から護伽藍神、守伽藍神、寺神とも呼ばれます。伽藍神を祀る堂は伽藍堂と呼ばれます。

日本の多くの寺院では、特定の守護神が存在します。例えば、興福寺では春日権現（春日大社）、延暦寺では山王権現（日吉大社）がその例です。鎮守も伽藍を守護するという点で伽藍神の一種と捉えることができます。しかし、一般的に「伽藍神」という言葉は、禅宗寺院の仏殿などに祀られている、道教の神の姿をした像を指すことが多いです。

これらの伽藍神像は、中国の宋代仏教の影響を受けて、鎌倉時代中期頃から日本で制作・安置されるようになりました。宋の寺院では、土地堂という建物に道教の神々が祀られており、その習慣が日本に伝わったと考えられています。禅宗寺院だけでなく、真言宗の泉涌寺（京都市）や、その末寺である覚園寺など、宋代仏教の影響を強く受けた寺院でも伽藍神が祀られています。

伽藍神像は、通常、仏殿の隅などに数体まとめて安置されています。像の形態は、立像や倚像（腰掛けた姿の像）が多く見られます。服装、ポーズ、表情は多様ですが、中国風の道服を着用し、冠を被っているものが多いのが特徴です。

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