住吉神社 (壱岐市)

住吉神社について

長崎県壱岐市芦辺町に鎮座する住吉神社は、由緒ある神社です。式内社であり、旧社格は国幣中社、現在は神社本庁の別表神社となっています。この神社は、地元の人々から厚く信仰されており、その歴史と文化は壱岐の重要な一部を形成しています。

祭神

住吉神社の主祭神は、底筒男命（そこつつのおのみこと）、中筒男命（なかつつのおのみこと）、表筒男命（うわつつのおのみこと）の三柱で、「住吉大神」と総称されます。これらの神々は、航海の安全を守る神として知られています。また、相殿には八千戈神（やちほこのかみ）が祀られています。

歴史

社伝によれば、住吉神社の創建は、神功皇后が三韓征伐からの帰路、現在の壱岐市郷ノ浦町大浦触に上陸し、三柱の神を祀ったことに始まるとされています。このことから、「日本初の住吉神社」と称されることもあります。その後、神託により現在の地へ遷座しました。平安時代の『延喜式神名帳』には、名神大社としてその名が記されています。また、長崎県下における筆頭神社としても知られています。

明治時代に入り、明治4年（1871年）には国幣中社に列格され、国家による祭祀が行われる神社となりました。

例祭

住吉神社の例大祭は、毎年11月9日に執り行われます。この祭りは、地域住民にとって非常に重要な行事であり、多くの人々が参拝に訪れます。

文化財

住吉神社は、数多くの文化財を所蔵しています。以下に主なものを紹介します。

長崎県指定文化財

絹本着色高野四社明神像（絵画）：室町時代中期以降に描かれたとされる絵画で、明治27年（1894年）に大阪在住の芦辺町出身者から寄進されました。昭和50年（1975年）に長崎県指定有形文化財に指定されています。

壱岐市指定文化財

住吉神社の神鏡 17面（工芸品）：明治4年（1871年）に住吉神社の境内の神池から発見された鏡です。内訳は大陸系鏡が12面、和鏡系が5面となっています。これらの鏡は、古代の技術を知る上で貴重な資料であり、昭和51年（1976年）に壱岐市指定有形文化財に指定されました。
御幸船（工芸品）：住吉神社の例祭である舟祭神事で使用される船です。この船は、昭和8年（1933年）に新造されました。
住吉神社のクスノキ 2本（天然記念物）：境内にそびえ立つ2本のクスノキは、樹齢を重ねた巨木であり、昭和51年（1976年）に壱岐市指定天然記念物に指定されています。

まとめ

住吉神社は、古代からの歴史を持ち、多くの文化財を有する神社です。航海の神として信仰され、地域の人々にとって心の拠り所となっています。壱岐を訪れる際には、ぜひ立ち寄っていただきたい場所です。

参考文献

白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、190頁

外部リンク

住吉神社 - 國學院大學21世紀COEプログラム「神道・神社史料集成」

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