住吉神社 (安曇野市)

住吉神社の概要

住吉神社は、長野県安曇野市に位置する由緒ある神社です。旧社格は県社であり、地域における重要な信仰の中心地として、古くから人々に親しまれてきました。

祭神

この神社の祭神は、以下の五柱です。

住吉三神
底筒男命（そこつつのおのみこと）
中筒男命（なかつつのおのみこと）
表筒男命（うわつつのおのみこと）
建御名方神（たけみなかたのかみ）
広籏八幡大神（ひろはたはちまんおおかみ）

住吉三神は、海の神様として知られています。また、建御名方神は諏訪大社の祭神であり、広籏八幡大神は武神として信仰されています。これらの神々が共に祀られていることから、住吉神社は多様なご利益があると信じられています。

歴史

社伝によれば、住吉神社は坂上田村麻呂の東征の際に創建されたと伝えられています。境内には坂上田村明神も祀られており、その歴史の深さを感じさせます。平安時代後期には、当地の開発領主であった西牧氏の寄進により、長講堂領住吉荘が成立し、その総鎮守として崇められるようになりました。

創建当初は烏川渓谷の角蔵山の麓に位置していましたが、現在も宵祭りの際には、神官や氏子総代が山頂に登るという伝統が残っています。また、古城山には御旅所があり、例祭の翌日には神馬を立てて神事が行われていました。

長徳年間には、信濃国司であった藤原惟正によって社殿が修築され、武田氏時代の永禄10年（1567年）には、氏子たちが資金を出し合って社殿を造営した記録が残っています。江戸時代以降は、楡村や及木村など周辺の村々によって維持され、現在の社殿は天明6年（1786年）に建てられたもので、安曇野市の指定文化財となっています。

文禄時代の検地では、社領として7石が安堵されました。これは安曇郡内では穂高神社に次ぐ待遇でした。また、元和元年（1615年）には、新田開発のために田三反歩が寄進された記録も残っています。享保9年（1724年）の記録によると、東西2町48間、南北4町24間（約44,352坪）という広大な境内を有していたことがわかります。

お船祭り

毎年4月には、住吉神社の春の例祭として、盛大なお船祭りが開催されます。この祭りでは、豪華に装飾された山車が「お船」として曳かれ、多くの人々で賑わいます。このお船祭りは、安曇野市の無形民俗文化財にも指定されています。

文化財

住吉神社には、以下の多くの文化財が残されています。

本殿（安曇野市有形文化財）
古文書（安曇野市有形文化財）
お船祭り（安曇野市無形民俗文化財）
社叢（安曇野市天然記念物）
御神木「ヒノキ」（安曇野市天然記念物）

これらの文化財は、住吉神社の歴史と文化を今に伝える貴重なものです。

所在地

長野県安曇野市三郷温5932番地

まとめ

住吉神社は、その長い歴史と豊かな自然、そして地域の人々の信仰によって守られてきた神社です。春にはお船祭りが開催され、多くの人々が訪れます。安曇野市を訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてください。

参考文献

『信州の文化シリーズ 寺と神社』 1981年 信濃毎日新聞社
* 谷川健一 編『日本の神々 -神社と聖地- 9 美濃・飛騨・信濃』 2000年 白水社

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