住吉義則

住吉 義則

住吉 義則（すみよし よしのり）氏は、1964年10月10日に大阪府泉佐野市で生まれた元プロ野球選手です。現役時代は主に内野手として活躍しましたが、現在は故郷で少年硬式野球チームの監督を務め、若い世代の指導にあたっています。

高校・社会人時代の輝き

箕島高校では捕手としてプレーし、1982年の春の選抜高校野球大会に出場。強豪ひしめく中、チームは準々決勝まで勝ち進みましたが、エース榎田健一郎を擁するPL学園高校に0対1と惜敗を喫しました。当時のチームメートには、後にプロ野球で活躍する吉井理人投手（控え投手）や畑山俊二外野手らがいました。住吉氏は高校では定時制課程に通っていたため、卒業後はすぐにプロへ進まず、東京の竹早高校（定時制）に転校を経て、社会人野球の強豪、プリンスホテルへ入社しました。

プリンスホテルでは、最初の5年間はブルペン捕手としてチームを支える裏方に徹していましたが、その後、内野手に転向すると打撃が開花。主軸打者として頭角を現しました。1989年の都市対抗野球大会では、左腕エース橋本武広投手らを擁するチームにおいて、石井浩郎氏（後にプロ入り）とともに打線の中軸を担い、チームを初の大会優勝へと導く活躍を見せました。特に決勝戦となった大昭和製紙北海道との試合では、勝利を決定づける重要な局面で適時打を放つなど、打撃でチームに貢献しました。この活躍が評価され、1990年にはアマチュア野球の全日本代表に選出され、第31回アマチュア野球世界選手権では日本の四番打者を務めるなど、アマチュア球界屈指の強打者として知られるようになります。同年には、社会人ベストナイン（一塁手部門）にも選出されるなど、アマチュア野球界での実績は申し分ありませんでした。

プロ野球でのキャリア

社会人での輝かしい実績を背景に、住吉氏は1990年のプロ野球ドラフト会議で、日本ハムファイターズから堂々の1位指名を受けて入団しました。即戦力の内野手として大きな期待が寄せられ、前年までチームの主軸打者だった古屋英夫氏の背番号「5」を引き継ぎました。入団1年目の1991年から一軍に定着しましたが、得意の打撃はオープン戦ではアピールできたものの、レギュラー候補と目された三塁守備での送球に課題があり、開幕一軍入りを逃すなど、定位置獲得には苦労しました。主に一塁手として起用され、年間6試合に先発出場しましたが、プロの高い壁に直面し、期待された打撃力を継続的に発揮するには至らず、その後は伸び悩むことになります。

プロ1年目の1991年8月9日には、対ロッテオリオンズ戦で、試合中に正捕手と控え捕手の双方が負傷退場するという異例の事態が発生。内野手登録だった住吉氏が急遽マスクをかぶり、捕手として出場するという珍しい経験もしています。1994年以降は一軍での出場機会がなくなり、1995年シーズン終了後に自由契約となり、日本ハムを離れることになりました。

1996年には千葉ロッテマリーンズへ移籍しましたが、ここでも一軍に昇格することは叶わず、同年限りで現役選手としてのキャリアを終えました。

指導者として

プロ野球選手を引退後、住吉氏は故郷である大阪に戻り、少年野球の指導者としての道を歩み始めました。1997年から2002年にかけては、泉佐野リトルシニアリーグでヘッドコーチ、後に監督を務め、若い選手の育成に情熱を注ぎました。2003年には、自身の野球チームとなる「KIXベースボールクラブ・21」（現在のヤングKIXベースボールクラブ・21）を結成し、監督に就任。地域の少年硬式野球の振興に尽力しており、その活動をさらに発展させるため、2005年にはNPO法人「KIXスポーツクラブ21振興会」を設立し、理事長としてもチーム運営と地域貢献に携わっています。また、2009年8月には、IBAF AA世界野球選手権大会の日本代表コーチを務めるなど、国際舞台での指導経験も豊富です。

社会人時代には日本代表の四番を務めるほどの実績を残しながら、プロでは怪我や技術的な課題もあり、その力を十分に発揮する機会は限られました。しかし、現役引退後はその経験を活かし、故郷・大阪で少年野球の指導者として精力的に活動しており、未来の球児たちを育成することに尽力しています。

プロ野球主な記録

初出場：1991年5月10日 対ロッテオリオンズ戦（東京ドーム）
初打席：同上
初安打：1991年5月19日 対西武ライオンズ戦（西武ライオンズ球場） - 郭泰源投手から左前安打
初先発出場：1991年6月8日 対福岡ダイエーホークス戦（平和台野球場）
初打点：1991年8月20日 対福岡ダイエーホークス戦（山形県野球場） - 村田勝喜投手から適時二塁打

プロ野球背番号

5 （1991年 - 1993年、日本ハム）
32 （1994年 - 1995年、日本ハム）
53 （1996年、ロッテ）

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