住民参加型路線

住民参加型路線

住民参加型路線とは、バス路線の新設や維持において、国や県からの補助金が適用されない場合に、沿線住民が運行経費の一部を負担することで運行を継続するバス路線のことを指します。この形態では、住民、バス事業者、そして行政機関が相互に協力し合う関係が非常に重要となります。

住民参加型路線の事例

弘南バス

青森県の弘南バスでは、かつて沿線住民が毎月一定額のバス回数券を購入することで、路線の運行経費を支援していました。しかし、2017年3月末をもって、これらの路線は全て自治体が運行主体となるコミュニティバスへと移行しました。

鰺ヶ沢～黒森線
1993年8月7日に運行を開始（新設路線で、「ニューはっけもり号」と命名）。深谷入口～黒森間が対象でした。
2017年3月31日に廃止され、翌4月1日からは「鰺ヶ沢町コミュニティバス」として再出発しました。
浪岡～細野線
1995年4月6日に運行を開始（廃止路線の復活）。北中野～上一ツ森間が対象でした。
2003年7月10日に廃止。
2009年11月1日からは「浪岡地区コミュニティバス」として運行されましたが、2024年3月31日をもって廃止されました。
弘前～藍内線
1996年2月2日に運行を開始（路線延長）。相馬～藍内間が対象でした。
2014年2月1日に廃止され、相馬庁舎～藍内間は予約制乗合タクシーへと移行しました。

類似の取り組み

住民参加型路線と類似した取り組みも各地で見られます。

生活バスよっかいち: 路線バスの廃止を機に、地域住民主体のNPO法人が運行主体となったバス路線です。
醍醐コミュニティバス: こちらも地域住民主体のNPO法人が運行主体であり、路線設定の経緯が住民参加型路線と共通しています。
くずは・男山循環コミュニティバス: 住民や大学教授が路線設定段階から参加しており、その経緯が住民参加型路線と類似しています。
沼木バス: 伊勢市の直接委託ではなく、沼木まちづくり協議会が運行主体となっています。
ピーチバス: 既存の交通機関（桃花台新交通桃花台線）の利用が不便であったため、住民が会員制バスとして運行を開始した路線です。桃花台新交通の廃止後は、あおい交通の一般路線バスとして運行が継続されています。
生活バスちばにう: 既存の交通機関（北総鉄道）の運賃が高額であったため、住民が主体となってバス路線を開設し、鎌ヶ谷観光バスに運行を委託しました。
住民バス（石巻市）: 宮城交通の路線バス撤退に伴う代替交通機関、また公共交通空白域の解消を目的として、沿線住民が運行協議会を結成し、同協議会が交通事業者に運行を委託する方法で運営されています。

これらの事例は、地域住民が主体的に公共交通の維持・運営に関わることで、地域の実情に合った柔軟な交通手段を提供しようとする試みを示しています。

関連項目

路線バス
* コミュニティバス

もう一度検索