佐々木すぐる

佐々木すぐる：日本の心を彩った作曲家

佐々木すぐる（本名：佐々木英）は、明治25年（1892年）に兵庫県高砂市で生まれ、昭和41年（1966年）に生涯を閉じた日本の作曲家です。彼は童謡を中心に2000曲以上もの楽曲を作曲し、その作品は多くの人々に愛され、歌い継がれています。特に「月の沙漠」や「お山の杉の子」は、彼の代表作として広く知られています。

生い立ちと音楽への目覚め

佐々木すぐるは、旧士族の家庭に生まれ、父親は郡役所に勤務していました。幼少期、近所の人から笛を借りたことをきっかけに音楽に興味を抱きます。しかし、家庭が経済的に厳しかったため、音楽学校ではなく姫路師範学校（現在の神戸大学の前身の一つ）に進学しました。在学中は、生活費を稼ぐためにボイラー技士として働きながら勉学に励んだそうです。卒業後、彼は郷里の小学校で教鞭を執りましたが、音楽への情熱を捨てきれず、東京音楽学校へと進学し、作曲家としての道を歩み始めます。

作曲家としての活動

東京音楽学校卒業後、佐々木は浜松師範学校で教員として勤務する傍ら、童謡の作曲活動を開始します。「青い鳥」や「じゃんけんぽん」といった愛らしい童謡は、子どもたちの間で瞬く間に広まりました。大正11年（1922年）には師範学校を退職し、作曲に専念するために上京します。翌年には、彼の代表作の一つである「月の沙漠」を作曲し、大きな反響を呼びました。大正13年（1924年）には、自身の作品を掲載した楽譜集「青い鳥楽譜」を自費出版し、昭和初期まで刊行を続けます。また、「青い鳥児童合唱団」を主宰し、全国各地で演奏会を開催するなど、精力的な活動を展開しました。

幅広いジャンルの作曲活動

昭和7年（1932年）には、日本コロムビアの専属作曲家となり、数々の作品を発表します。1930年代には、「兵隊さんよありがとう」のような愛国歌も数多く作曲し、当時の子供たちの間で広く親しまれました。戦後は、音楽教科書の編纂に携わるなど、音楽教育の分野でも活躍しました。また、日本作曲家協会の理事を務めるなど、日本の音楽界に大きく貢献しました。

佐々木すぐるの作品は、童謡にとどまらず、校歌や生徒歌など、幅広いジャンルに及びます。浦和市立針ヶ谷小学校（現さいたま市立針ヶ谷小学校）の校歌が、彼の最後の作品であると考えられています。

主な作品

以下に、佐々木すぐるの主な作品を記します。

童謡:
月の沙漠
お山の杉の子
ひょうたんぽっくりこ
赤ちゃんのお耳

愛国歌:
兵隊さんよありがとう
軍艦旗の歌
航空日本の歌

校歌・生徒歌:
灘中学校・高等学校生徒歌
大田区立大森第一中学校校歌
大田区立矢口小学校校歌
大田区立大森第四小学校校歌
さいたま市立東大成小学校校歌
さいたま市立宮原小学校校歌
さいたま市立常盤小学校校歌
さいたま市立針ヶ谷小学校校歌
さいたま市立本太小学校校歌
川越市立山田小学校校歌
練馬区立石神井東小学校校歌
小金井市立小金井第二小学校校歌
あきる野市立五日市小学校校歌
黒部市立高志野中学校校歌
高岡市立国吉小学校校歌
静岡県立韮山高等学校校歌
静岡市立東豊田小学校校歌
森町立宮園小学校校歌
浜松市立東小学校校歌
浜松市立元城小学校校歌
新居町立新居中学校校歌
兵庫県立松陽高等学校校歌
神戸市立西灘小学校校歌
神戸市立真野小学校校歌
豊岡市立八条小学校校歌
姫路市立林田中学校校歌
姫路市立城北小学校校歌
姫路市立飾磨小学校校歌
姫路市立白浜小学校校歌
北九州市立泉台小学校校歌
北九州市立筒井小学校校歌
津屋崎町立津屋崎小学校校歌
佐伯市立波当津小学校校歌
愛媛県立松山北高等学校校歌
修文女子高等学校校歌
神河町立粟賀小学校校歌
奥多摩町立氷川小学校校歌
川口市立青木中央小学校校歌
川口市立上青木小学校校歌
川口市立並木小学校校歌
茂原市立五郷小学校校歌
袋井市立袋井中学校校歌
真颯館高等学校校歌
山形市立第五中学校校歌

その他:
七夕（本名の佐々木英名義）
昭和の子供
日本教職員組合組合歌

音楽への情熱を生涯貫いた作曲家

佐々木すぐるは、生涯にわたり、子供たちのための音楽を追求し続けた作曲家です。彼の作品は、時代を超えて多くの人々に愛され、日本の音楽文化に大きな足跡を残しました。彼の音楽は、私たちの心に温かい光を灯し、永遠に歌い継がれていくことでしょう。

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