佐々木孫悟空

佐々木孫悟空：虫を喰らう異端の芸人

佐々木孫悟空（1974年2月9日生まれ）は、千葉県出身のお笑いタレント。Modern Freaks Inc.に所属し、その名の通り『西遊記』の孫悟空を模した扮装で、観る者を異世界へと誘う。

しかし、彼の真骨頂は、その外見だけではない。ゴキブリ、クモ、ミミズ、ダンゴムシといった、一般的には忌避される虫たちを平然と食す、異色の「虫喰い芸」こそが、佐々木孫悟空を唯一無二の存在たらしめている。

虫喰い芸人としての軌跡

「虫フードファイター」とも呼ばれる佐々木は、DVD『虫フードファイター佐々木孫悟空の世界最強虫喰王決定戦』で、タイ、マレーシア、小笠原諸島など世界各地を巡り、様々な虫を食している。

彼が好む虫は、トビズムカデとクマゼミ。一方、オオヒラタシデムシは苦手で、その悔しさから携帯電話の待ち受け画面に設定していたというエピソードも。

虫食いのルーツ

佐々木が虫を食べるようになったきっかけは、小学2年生の頃。いじめっ子にアブラゼミを食べさせられた際、意外にも美味しかったことが原点だという。

芸人としての苦悩と挑戦

その特異な芸風から、テレビ番組への出演機会は限られている。深夜ラジオ番組『夜な夜なニュースいぢり X-Radio バツラジ』に出演した際には「ラジオならなんでもできるからいい」と語っている。

上京から虫喰い芸人へ

1992年、映画監督を目指して上京。劇団東俳に入団し、長州小力と出会う。1993年にはTBS系ドラマ『危険な再会』で、田村亮演じる主人公の中学時代を演じた。

1995年、長州小力、アントニオ小猪木、スギタヒロシ、ウクレレえいじとコントグループ「ラヴ兄弟」を結成。“平成のドリフターズ”として活動した。

2001年には、新宿のプーク人形劇場にて西口プロレスを旗揚げし、初代社長を務める。

虫喰い芸人としての転機

2005年春、迷い猫がくわえてきたクロゴキブリを食べたことがきっかけで、虫喰い芸人になることを決意。

GyaOの番組『バカ世界一決定戦! 〜西口プロレス・ザ・ワールド〜』で、虫を食べるコーナー「佐々木孫悟空の食い虫ん坊万歳!」を担当。巨大ダンゴムシ“メガボール”をかじったところ、視聴者やスポンサーからのクレームにより番組が打ち切りになった。

番組終了後、虫喰いを披露する場を失った佐々木は、単独ライブを敢行。2006年3月19日には、所沢ミューズ・キューブホールにて「佐々木孫悟空 単独ファミリーライブ」を開催し、ライブとしては初めて客前で虫喰いを披露した。

その後も、単独ライブ「佐々木孫悟空ファミリーライブ【こんちゅうさがし】」「佐々木孫悟空ファミリーライブ【昆虫王国】」「佐々木孫悟空ファミリーライブ【昆虫大パニック】」「佐々木孫悟空ファミリーライブ【虫は地球を救う】」などを開催。

2008年には、DVD『虫フードファイター佐々木孫悟空の世界最強虫喰王決定戦』を発売。フジテレビ721『お台場お笑い道』に出演し、大王サソリ、ゾウカブトムシの幼虫、カメルーンオオヤスデをたいらげ、共演者を引かせた。

ギネスへの挑戦

2006年12月18日には、インド人のC.マノハランのギネス記録＜30秒間に体長10cm以上のミミズ200匹＞に挑むも惨敗。その後も、ゴキブリのギネス記録に挑戦するが、ことごとく失敗に終わっている。

多岐にわたる活動

雑誌『漫画実話ナックルズ』にて、「佐々木孫悟空の虫ボーですよ」を連載。毎月、食虫を一般にも広めるために、虫料理の試作を行い紹介している。

また、2008年には、カヌーのオリンピック選手の強化合宿地である石川県小松市に大量発生した謎の生物“オオマリコケムシ”の除去作業を手伝い、持ち帰って食した。

近況

2014年には、生誕40周年記念イベント【公開処刑ライブ】を開催。過激な芸を展開したところ、一部終了時に殆どの客が帰ってしまうという事態になった。

異色の芸人、佐々木孫悟空

佐々木孫悟空は、その特異な芸風で、常に話題を提供し続けている。今後、彼がどのような形で虫喰い芸を昇華させていくのか、注目が集まる。

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