佐々木閑

佐々木閑の概要

佐々木閑（ささき しずか、1956年9月27日生まれ）は、日本の著名な仏教学者であり、長年にわたり仏教や戒律の研究に従事してきました。また、真宗高田派の僧侶としても知られ、花園大学では教授として教鞭を取っています。大阪大学において博士（文学）を取得し、以降は研究と教育活動に明け暮れてきました。

経歴

佐々木は福井県坂井市三国町に生まれ、坂井市立三国中学校から福井県立藤島高等学校を経て、1979年に京都大学工学部を卒業。その後、同大学の文学部哲学科に転科し、1982年に仏教学専攻を卒業、1984年には修士課程を修了しました。1987年には博士課程に進学し、1990年には花園大学文学部で講師として教鞭を執り始め、その後助教授を経て教授に就任しました。

受賞歴

佐々木はその卓越した研究活動に対して評価され、1992年に日本印度学仏教学会賞、2003年には鈴木学術財団特別賞を受賞しています。これらの受賞は彼の学問が広く認識されている証です。

アカハラ事件と論争

佐々木が最近注目を浴びているのは、清水俊史と馬場紀寿との間に起こったアカデミック・ハラスメントに関する論争です。清水は、ブッダゴーサが仏教史で果たした役割について意見を述べ、アカハラや出版妨害の被害を受けていると主張しています。馬場は、ブッダゴーサが大乗経典を恣意的に排除したとし、大乗非仏説を支持していますが、清水はこの見解に異を唱えました。これに対し、佐々木も2022年に『禅学研究』第100号でこの論争を整理した評論を発表しました。

大乗仏教とその見解

佐々木は、個人的には大乗非仏説に近い見解を持っており、釈迦の教えは涅槃に至ることを究極の目的としていると考えています。彼は、在家者が普通に暮らしながら悟りを求めることが釈迦の教えには合致しないとし、この考え方が大乗仏教の教義から逸脱しているとしています。しかし、彼は大乗仏教が歴史的に原始仏教の価値を乗り越え、発展してきたことを認識しています。

著作一覧

佐々木は数多くの著書を持っており、例えば『出家とはなにか』や『インド仏教変移論』などがある。これらの著作は、仏教の教義や歴史を深く掘り下げ、読者に理解を促す内容となっています。その他にも、仏教と科学の関連を論じた作品なども手がけています。

メディア出演

彼はラジオやテレビにも頻繁に出演しており、宗教や哲学についての講演を行ってきました。その中には「釈尊時代の仏教と科学」「宗教はなぜ必要なのか」といったテーマが含まれています。彼のこれらの活動は、仏教の普及にも寄与していると言えるでしょう。

結論

佐々木閑は、日本の仏教学界において影響力のある人物であり、彼の研究や論争は、仏教の理解を深めるうえで重要な要素となっています。彼の活動は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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