佐世保市立福石中学校

長崎県佐世保市干尽町に位置する公立中学校、それが佐世保市立福石中学校（させぼしりつふくいしちゅうがっこう）です。この学校は、戦後日本の教育制度が大きく変革された時期に設立され、以来、地域の教育拠点として重要な役割を担ってきました。具体的には、1947年（昭和22年）に実施された学制改革によって、新しい中学校としてその歴史をスタートさせました。2017年（平成29年）には創立から70周年を迎え、長い歴史と伝統を持つ学校として、地域社会と共に歩んでいます。

沿革

福石中学校の設立とその後の発展は、戦後日本の復興期と教育制度の整備の歴史と深く結びついています。

開校は1947年（昭和22年）4月1日。この日をもって、「佐世保市立福石中学校」が正式に発足しました。学校設立当初は、現在の所在地である大黒町の旧日本海軍女子工員宿舎を仮校舎として利用し、教育活動が開始されました。初代校長には豊村勝重氏が就任しています。

学校施設の整備は急ピッチで進められました。1949年（昭和24年）4月には、新たに建設された木造校舎、特に南校舎の一部が完成し、まず3年生の収容が始まりました。そして、同年8月には南校舎全体が完成し、全ての学年の生徒が新しい校舎で学ぶことができるようになりました。さらに、翌1950年（昭和25年）9月8日には、木造の北校舎も完成し、学校施設はより一層充実しました。

時代の変遷と共に、校舎の構造も変化していきます。1962年（昭和37年）には、より近代的な鉄筋コンクリート造りの校舎（第一期工事）が完成しました。そして、1963年（昭和38年）には鉄筋コンクリート造り校舎の第二期工事が完了したほか、体育館やプールといった体育施設も整備され、教育環境は飛躍的に向上しました。

その後も学校の規模や教育システムには変化がありました。1984年（昭和59年）4月1日には、生徒数の増加などに対応するため、佐世保市立崎辺中学校が当校から分離独立して開校しています。教育制度についても、2006年（平成18年）4月からは、教育課程を柔軟に進めるため、従来の3学期制から2学期制へと移行しました。また、生徒たちの健康と栄養を考慮し、2013年（平成25年）9月からは完全給食が開始され、全ての生徒が温かい給食を享受できるようになりました。

教育目標とシンボル

福石中学校が掲げる校訓は「英知・友愛・正義」です。この三つの言葉は、生徒たちが社会に出てからも大切にすべき価値観として、日々の教育活動の中で育まれています。

学校の象徴である校章は、中央に「中」の文字を配したデザインとなっています。これは中学校であることを明確に示すと共に、学校のアイデンティティを表しています。

また、福石中学校には、生徒や教職員、そして卒業生にとって心の拠り所となる校歌があります。この校歌は、作詞を長田泉氏が、作曲を田元千之氏が手掛けたもので、学校の歴史や精神、そして生徒たちの希望を歌い上げています。

校区とアクセス

福石中学校の校区は、佐世保市内の特定の地域を対象としています。住所表記では、佐世保市の後に東山町、大黒町の一部、大宮町、天神一丁目、天神二丁目の一部、天神三丁目の一部、天神五丁目の一部、大和町（元三組）、稲荷町の一部、前畑町、干尽町の一部、沖新町が続く地域が主な校区に含まれます。小学校区としては、佐世保市立福石小学校の全域、佐世保市立天神小学校の一部、そして佐世保市立木風小学校の一部から生徒たちが進学してきます。

学校への交通アクセスについては、複数の手段があります。最寄りの鉄道駅としては、JR九州の佐世保線および松浦鉄道の西九州線の佐世保駅が利用できます。バスを利用する場合は、西肥バス（させぼバスが運行を担当）の「中大黒」または「福石中学校前」バス停が便利です。また、自動車でのアクセスでは、西九州自動車道佐世保道路の「佐世保みなとIC」が最寄りのインターチェンジとなります。

学校の周辺環境には、佐世保市環境センター、佐世保年金事務所、佐世保競輪場などがあり、地域の公共施設や商業施設が集積しています。

結び

佐世保市立福石中学校は、1947年の開校以来、佐世保市の教育の歴史と共に歩んできました。学制改革という時代の大きな節目に誕生し、仮校舎での出発から木造校舎、そして鉄筋コンクリート造りの近代的な校舎へと施設を拡充。体育館やプールの整備、崎辺中学校の分離独立、2学期制や完全給食の導入など、常に生徒たちの学び舎として進化を遂げてきました。校訓「英知・友愛・正義」のもと、地域に根差した教育を実践し、多くの卒業生を社会へと送り出しています。その歴史と伝統は、これからも福石中学校の教育活動の礎となっていくことでしょう。

もう一度検索