させぼバス

させぼバス株式会社：佐世保市の公共交通を支える企業

させぼバス株式会社は、長崎県佐世保市に本社を置くバス事業者です。佐世保市が100％出資する子会社として、2009年4月28日に設立されました。設立の背景には、佐世保市交通局（佐世保市営バス）の経営効率化と、公共交通サービスの維持という課題がありました。

市営バスからの移行と西肥自動車との協業

設立当初は、佐世保市交通局から矢峰営業所の一部路線と車両を譲渡・委託を受け、運行を開始しました。その後、黒髪営業所についても同様に管理委託を受けました。当初は、市営バス時代と同様の車両デザイン、時刻表、バス停を使用するなど、サービスの維持に努めました。しかし、2019年3月23日をもって佐世保市交通局の運行が終了。これに伴い、させぼバスは西肥自動車と連携し、旧市営バス路線の一部を継承する形で事業を継続することになりました。

西肥自動車は、佐世保市交通局から路線の大部分を継承し、させぼバスは、西肥自動車から一部路線を受託する形での運行体制へと移行しました。この協力体制により、公共交通の維持と効率的な運営が両立されています。させぼバスは、西肥自動車の委託を受けて旧市営バス路線を運行する一方で、独自の路線も運行しています。

時代の変化に対応する取り組み

させぼバスは、時代の変化に対応すべく、様々な取り組みを行っています。2020年には、長崎スマートカードに代わるICカードとしてnagasaki nimocaを導入し、全国各地の交通系ICカードとの相互利用も可能にしました。さらに、2023年には、西肥自動車と共同でデジタルサイネージ式バス停「スマートバス停」を導入。リアルタイムな運行情報などを提供し、利用者の利便性向上に努めています。

営業所と路線

させぼバスは、佐世保駅前営業所、矢峰営業所、黒髪営業所の3つの営業所を有しています。各営業所には、それぞれ異なる特徴があります。例えば、佐世保駅前営業所の車両には、入口の扉の横に赤い「駅」のステッカーが貼られています。路線については、西肥自動車と共同で運行している路線と、させぼバスが独自に運行している路線があります。独自運行路線の例としては、戸尾山祗循環線、十郎原線、天神循環線などがあります。

過去の路線と現状

佐世保市営バスの運行終了後、いくつかの路線が新設または廃止されました。新設路線としては、東部系統の下の原橋線などがあります。一方、大野系統、相浦系統、船越系統、黒髪系統、卸団地・大岳台系統、東部系統のエコスパ線などが廃止されました。廃止された路線の一部は、ダイヤ改正などで他の路線に統合されたり、運行本数が調整されたりしています。

貸切バス事業

路線バスの運行に加え、させぼバスは貸切バス事業も行っています。一般の貸切バスのほか、佐世保競輪場の送迎バスやスクールバスなども運行しています。車両は、日野自動車、いすゞ自動車、UDトラックス、三菱ふそうなど、複数のメーカーから導入しています。

車両の特徴

させぼバスの路線バス車両は、佐世保市交通局時代からの車両も多く、塗装も一部は旧市営バス時代の塗装を継承しています。貸切バス車両は、佐世保市交通局からの移管車だけでなく、他の事業者から移籍した車両も多く、塗装も多様です。今後導入される新車については、佐世保市交通局時代の塗装を踏襲していく予定です。

まとめ

させぼバス株式会社は、佐世保市の公共交通を支える重要な役割を担っています。市営バスからの移行、西肥自動車との連携、そして時代の変化に対応した様々な取り組みは、地域社会への貢献を示しています。今後、更なる発展と地域住民への利便性向上に期待がかかります。

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