佐伯港

佐伯港について

佐伯港は、大分県佐伯市に所在する重要な港湾で、港湾管理者は大分県です。豊後水道、つまり瀬戸内海へとつながる美しいリアス式の海岸線に沿っており、佐伯湾の奥に位置しています。近年、この港は防災拠点港としても指定されています。

港の概要

この港は、古くから天然の良港として名を馳せており、特に大入島に保護された形で水深に恵まれているため、古くから商業活動が盛んに行われてきました。昭和初期には軍用施設が整備され、戦後は木材および石灰石の輸入、さらにはセメントの輸出を通じて、大分県南部の物流の中心的存在として成長しました。しかし、2010年には太平洋セメントの工場が生産を停止したため、石灰石及びセメントの取り扱いは行われなくなりました。

現在、佐伯港では大型船舶が直接乗り入れられるよう、14メートルの水深を有する岸壁の整備が進行中です。ただし、この工事に伴い、土砂の受け入れなどによる大入島の埋め立てについて、環境保護の観点から住民を中心に反対運動が起こっています。

また、佐伯港からは周辺の離島との間に定期航路が設定されており、過去には高知県宿毛市とのフェリーが運行されていました。さらに、海上自衛隊の基地もこの港に位置しており、地域の防衛に寄与しています。

沿革

• - 1934年（昭和9年）: 佐伯海軍航空隊が設立され、軍備の整備が開始される。
• - 1959年（昭和34年）: 港湾施設が本格的に整備される。
• - 1970年（昭和45年）5月: 重要港湾に指定される。
• - 1995年（平成7年）: 多目的国際ターミナルの建設が開始される。
• - 2014年（平成26年）3月28日: 14メートルの岸壁が供用開始となる。

主な施設

港にはいくつかの地区があり、それぞれ異なる目的で利用されています。女島地区では原木や石膏などの外国貿易貨物を扱っており、興人佐伯工場やエコセンター番匠といった施設も存在します。

また、鶴谷地区では砂や砂利、鋼材などの国内輸送の貨物を取り扱い、葛地区には高知県宿毛市との定期フェリーや周辺離島への定期船が発着し、漁船や魚市場も整っています。

定期航路

佐伯港からは次のような定期航路が運行されています:

• - 宿毛湾港（高知県宿毛市）: 1日3往復、所要時間約3時間
• - 大入島観光フェリー: 1日15往復、所要時間約7分
• - 豊海運（常栄1号、マリンスター常栄）: 大入島循環ルートもあり、1日4便運行、所要時間約1時間
• - 仁誠丸: 1日11往復、所要時間約7分
• - 荒吉丸: 1日11往復、所要時間約10分
• - 佐伯市大島航路（おおしま）: 1日3往復、所要時間約30～35分

佐伯港は地域の交通や経済の要所として重要な役割を果たし続けています。

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