佐保信号場

佐保信号場：関西本線における車両基地へのアクセス拠点

奈良県奈良市法華寺町に位置する佐保信号場は、西日本旅客鉄道（JR西日本）関西本線（大和路線）に属する信号場です。平城山駅と奈良駅の中間地点、およそ平城山駅から0.9kmの地点に位置しており、主に吹田総合車両所奈良支所への車両の入出庫を円滑に行うための重要な役割を担っています。

信号場の構造と運用

佐保信号場は複線分岐型の構造となっており、本線と奈良支所への出入庫線から構成されています。出庫線1線と入出庫線1線は「佐保信」と呼ばれ、本線上の分岐点および中線1線は「佐保中」として運用されています。奈良支所から奈良方面への出庫列車を除き、時刻表には佐保中の時刻が記載されています。

上り方面には佐保中の出発信号機が設置されていますが、下り方面には出発信号機がなく、佐保中の場内信号機と第4閉塞信号機が出発信号機の役割を果たしています。奈良駅方面からは進行方向を変えることなく入出庫が可能です。一方、平城山駅方面からは佐保中に入線し、折り返す形で入出庫する構造となっています。

かつては奈良駅方面からのみ入出庫が可能な構造でしたが、奈良駅の高架化工事に伴い、佐保中の中線に新たな分岐器2器が設置されました。この改良により、平城山駅方面からの入出庫も可能となり、車両の運用効率が大幅に向上しました。

歴史

佐保信号場は1984年（昭和59年）8月31日に開設されました。以来、関西本線における車両の入出庫を支え、奈良支所の円滑な運用に貢献しています。近年行われた改良工事は、信号場の機能性を高め、より安全で効率的な運行に寄与しています。

周辺環境

佐保信号場は、西側を並走する奈良バイパス（国道24号）沿いに位置しています。周辺は両側とも森林地帯が広がっていますが、西側には民家が点在する地域もあります。自然と都市が混在する環境の中に、信号場は静かにその役割を果たしています。

隣の施設

佐保信号場の隣接駅は、大和路線（関西本線）において平城山駅と奈良駅です。学研都市線直通電車もこの区間を通過します。また、奈良線（木津駅までは関西本線）においても、平城山駅と奈良駅に隣接しています。

まとめ

佐保信号場は、一見すると地味な存在かもしれませんが、関西本線における車両の入出庫という重要な役割を担う、なくてはならない施設です。近年行われた改良工事も、その運用効率と安全性向上に大きく貢献しています。周辺環境や歴史的背景なども含め、関西本線の運行を支える重要なインフラとして、その存在意義は大きいと言えるでしょう。

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