佐保美代子

佐保美代子の略歴と活躍

佐保美代子（本名：門屋定子、旧姓：矢野）は、1913年7月15日に兵庫県神戸市で生まれました。彼女は、宝塚少女歌劇団、現在の宝塚歌劇団における男役の代表的な存在であり、特に月組での指導的役割で知られています。愛称は「べーちゃん」や「ヤノちゃん」で、多くのファンに親しまれました。

宝塚歌劇団でのキャリア

1927年に大開尋常第一小学校を卒業した後、佐保は17期生として宝塚音楽歌劇学校に入学しました。宝塚では「入学が入団」とされており、彼女はこの伝統の中でスタートを切りました。1940年から1941年にかけては月組の副組長を務め、その後1941年から1944年まで組長として劇団を牽引しました。

1944年には宝塚歌劇団を退団し、結婚したのち中国へ渡ります。戦後、彼女は引揚者として日本に帰国しました。その後、元宝塚歌劇団の下級生・社敬子の紹介を受け、メイクアップ・アーティストとして新たなキャリアを築きました。彼女が関わったメイク技術は多くの女性たちに影響を与えました。

不慮の事故と殿堂入り

佐保美代子の人生は、1954年の青函連絡船の洞爺丸事故によって悲劇的に幕を閉じます。彼女は41歳で亡くなりましたが、その業績は生き続けています。2014年、宝塚歌劇団の100周年を祝う中で、彼女は宝塚歌劇の殿堂の初めての100名のメンバーに選出されました。彼女は創設当初、最も若くして殿堂入りしたタカラジェンヌとして、後世に名を残す存在となりました。

主な舞台出演

佐保の舞台キャリアは多岐にわたりますが、特に月組での出演が際立っています。彼女は、1929年に始まった『サーカス』や、1930年の『一九三〇年型』、さらには『白雪姫』や『夢見曾我』など、数々の演目に出演しました。これらの舞台は、彼女の演技力や存在感を多くの観客に示し、宝塚歌劇団の顔となりました。

まとめ

佐保美代子は、宝塚歌劇団における男役の重要な存在であり、彼女のキャリアは多くの後輩たちに影響を与えたことがうかがえます。退団後もメイクアップ・アーティストとして活躍し、彼女の技能は後世に受け継がれています。彼女の栄光のキャリアと不運な死は、宝塚歌劇団の歴史において忘れられない一章となっています。

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