佐倉河村

佐倉河村（さくらがわむら）は、かつて岩手県胆沢郡に置かれていた村で、昭和30年（1955年）まで存続していました。

現在の行政区域では、奥州市水沢地域の佐倉河、水沢卸町、および水沢工業団地といった区域が、この旧佐倉河村に含まれています。

地理

村の地理的な特徴としては、北上川と胆沢川といった主要な河川が区域内を流れていました。これらの河川は、地域の地形や人々の生活に深く関わっていたと考えられます。

沿革

佐倉河村の成立には、いくつかの段階を経て行われた明治時代の村落統合が関わっています。

まず、明治8年（1889年）10月17日、水沢県による村落の再編が行われました。この時、佐野村と八幡村が合併して宇佐村が、上葉場村と栃木村が合併して満倉村がそれぞれ成立しました。さらに、安土呂井村、四丑村、茄子川村、瀬台野村の四村が合わさって常盤村が誕生しています。

その後、明治22年（1889年）4月1日、新たな町村制が施行されるにあたり、これらの再編された村々を基に佐倉河村が発足しました。具体的には、宇佐村、満倉村、下河原村の全域に加え、常盤村のうち旧安土呂井村、四丑村、茄子川村の区域が合併し、一つの自治体として佐倉河村が誕生したのです。

佐倉河村は、その後も昭和の時代まで存続しましたが、昭和29年（1954年）4月1日に行われた大規模な市町村合併により、その歴史に幕を閉じました。この時、佐倉河村は、水沢町、姉体村、真城村、そして江刺郡に属していた黒石村、羽田村と共に合併し、新たに水沢市の一部となりました。この合併により、胆沢郡水沢町の区域は広がり、現在の奥州市水沢地区の基盤が形成されました。

行政

佐倉河村には村政を担う歴代の村長が置かれ、村の運営にあたっていました。

交通

交通網としては、国鉄（現在のJR）東北本線が村の区域内を通過していましたが、村内に駅は設置されていませんでした。

道路に関しては、主要な幹線道路である国道4号線が村内を通っていました。現在では、旧村域の近隣に東北自動車道の水沢インターチェンジが設けられていますが、佐倉河村が存在していた当時は、まだ高速道路は開通していませんでした。

教育

佐倉河村には、村立の教育施設が設置されていました。

小学校としては、佐倉河村立佐倉河小学校がありました。この学校は、合併後に水沢市立佐倉河小学校となり、さらに現在の奥州市立佐倉河小学校へと引き継がれています。

中学校としては、佐倉河村立佐倉河中学校が存在しました。この中学校は、合併後に水沢市立佐倉河中学校となりましたが、その後に学校の統合を経て水沢市立水沢中学校となり、現在は奥州市立水沢中学校の一部となっています。

参考文献

佐倉河村を含む岩手県内の町村合併に関する公式な記録として、『岩手県町村合併誌』（岩手県総務部地方課、1957年発行）が挙げられます。

関連項目

* 岩手県の廃止市町村一覧

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