佐倉草ぶえの丘バラ園

佐倉草ぶえの丘バラ園は、千葉県佐倉市飯野にある佐倉草ぶえの丘の敷地内に位置するバラ園です。その前身であるローズガーデン・アルバについても触れながら、このバラ園の魅力に迫ります。

バラ園の概要

佐倉草ぶえの丘バラ園は、特定非営利活動法人バラ文化研究所によって管理・運営されており、約13,000平方メートルの広大な敷地を有しています。2021年時点では、約1,250種類、2,500株ものバラが植栽・保存されており、そのコレクションは圧巻です。

園内には、バラ育種家である鈴木省三氏が作出した品種を集めた「鈴木省三コーナー」や、植物画家ピエール＝ジョゼフ・ルドゥーテが描いたバラの中から現存する品種を集めた「ルドゥーテコーナー」など、様々なテーマのコーナーが設けられています。他にも、日本のバラ、中国のバラ、世界の原種、アジアの原種、オールドローズ、シングルローズ、ラ・ボンヌ・メゾン、サンタ・マリアの谷など、バラの多様性を体感できる構成となっています。

資料室には、鈴木省三氏が収集した書籍や研究資料、カタログ、雑誌などの他に、バラ愛好家から寄贈された書籍など、約1万件を超える貴重な資料が収蔵されています。

バラ園の歴史

このバラ園の歴史は、1996年（平成8年）5月15日に、ヘリテージローズの収集・保存を目的として、バラ文化研究所によって佐倉市下志津に開園されたローズガーデン・アルバから始まります。ローズガーデン・アルバは、その高い評価と収集品種の増加に伴い、手狭になったため、2003年（平成15年）3月の佐倉市の政策会議で、佐倉草ぶえの丘に新たなバラ園を建設する方針が決定されました。ローズガーデン・アルバは、2004年（平成16年）に閉園し、その役割を終えました。

そして、2006年（平成18年）4月29日、佐倉草ぶえの丘バラ園が、バラ文化研究所と佐倉市の協力によって開園しました。開園当初のバラの種類は800種類で、ローズガーデン・アルバに植栽されていたバラはすべて、この新しいバラ園に移されました。2008年（平成18年）には、バラに関する国際的な機関である世界バラ会連合に準会員として加入しました。

2011年（平成23年）には、第12回国際ヘリテージローズ会議が当バラ園で開催され、2014年（平成26年）2月には、アメリカのハンチントン図書館の「ザ・グレート・ロザリアンズ・オブ・ザ・ワールド」より「殿堂入りバラ園」に選出され、表彰を受けました。さらに、2015年（平成27年）5月には、世界バラ会連合主催の第17回世界バラ会議において、京成バラ園とともに「優秀庭園賞」を受賞しました。

しかし、2019年（令和元年）9月には、台風第15号によって大きな被害を受け、その復旧作業が続けられています。

佐倉草ぶえの丘バラ園は、バラの美しさを堪能できるだけでなく、その歴史や文化に触れることができる貴重な場所です。バラ愛好家はもちろん、多くの人々にとって魅力的なスポットと言えるでしょう。

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