佐柳島

佐柳島（さなぎじま）

佐柳島は香川県仲多度郡多度津町に位置する島で、瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島の一つです。多度津港から北西へ約14.8kmの距離にあり、南北に細長い形状をしています。その面積は約1.83平方キロ[[メートル]]であり、周囲は約6.6キロ[[メートル]]です。2021年の時点で島の人口は60人弱で、主な集落は南部の本浦と北部の長崎に分かれています。

島には248.52メートルの高登山があり、この山が最高峰です。当地の産業は主に水産業と農業であり、水産業では刺し網漁やタコ壺漁が行われています。また、自給自足的な農業も根付いており、主にイモやマメなどを栽培しています。医療施設としては国民健康保険直営の診療所が存在し、地域住民の健康を支えています。

佐柳島では海底送水によって水道が供給され、普及率は100%となっていますが、ごみの処理やし尿処理は定期的に本土に搬出して行われています。紀元前から続く文化が息づいており、本浦と長崎の集落には埋め墓と呼ばれる両墓制が存在します。特に、長崎の埋め墓は1965年に県の有形民俗文化財として指定されています。

また、この島は「猫の島」として広く知られており、地域猫が数多く棲息しています。そのため、観光客も多く訪れます。動物写真家の岩合光昭氏も、里山の風景と猫をテーマにした撮影のために訪れました。

歴史

佐柳島の名前の由来には諸説ありますが、特に有名なのは、室町幕府の第3代将軍・足利義満が厳[[島]]へ参詣する途中で強風に見舞われ、この島に避難した際に風が収まったことから、早凪という名前に変わったとされています。

幕末には、島の住民の中から咸臨丸の乗組員が選ばれ、捕鯨の旅に出ました。そこで病にかかり客死した平田富蔵の墓も島内にあります。また、坂本龍馬が率いた海援隊の志士である佐柳高次も当時「いろは丸」の航海長として活躍しました。明治以降は、無人島の小島と共に「仲多度郡佐柳島村」として存在しましたが、1956年に多度津町に編入されました。

交通

島へのアクセスには香川県道260号長崎本浦線が利用されます。また、四国本土への移動はたどつ汽船の運行するフェリーが便利です。長崎港から本浦港を経由し、多度津港までの航路があり、高見島を経由する便があります。本州からも土曜日に限り、三洋汽船の便が利用できます。

主な施設

島には多度津町立佐柳小・中学校がありましたが、1995年に廃校となり、現在は旧校舎が多度津町佐柳島自然体験センターとして活用されています。また、近年ではゲストハウスや飲食店としてリノベーションされています。島内には八幡神社、乗蓮寺、大天狗神社など、いくつかの歴史的な施設も存在し、長崎や本浦の集落を訪れた際にはぜひ足を運んでみてください。

さらに、1962年には地元の自然を舞台にした映画『あの空の果てに星はまたたく』のロケが行われ、2019年にはテレビ神奈川が『ボクらと島ネコ。』を取材に訪れています。佐柳島は、伝統文化と豊かな自然、美しい風景が共存する特別な場所であり、訪れる人々に癒しを与える魅力を持っています。

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