佐竹義智 (東家)

佐竹義智（さたけ よしとも）

佐竹義智は、江戸時代中期の武士で、佐竹氏一門の佐竹東家第11代当主です。正徳4年（1714年）に、佐竹義本の子として生まれました。佐竹東家は、佐竹氏の分家の一つで、代々、佐竹本家を支える重要な役割を担っていました。

家督相続と藩政への関与

寛延3年（1750年）、父である義本の隠居に伴い、義智は佐竹東家の家督を相続しました。その後、甥にあたる久保田藩主・佐竹義明に執政として仕え、藩政の中枢で活躍しました。執政とは、藩主を補佐し、藩の政治を取り仕切る役職であり、その責任は非常に重いものでした。

家中騒動と名誉回復

宝暦7年（1757年）、久保田藩内で大きな騒動が起こります。藩内では、銀札を発行しようとするグループと、それに反対するグループが対立していました。義智は反対派の立場でしたが、発行派によって、義邦と共に謀反を企んでいるという濡れ衣を着せられ、藩主義明から謹慎を命じられてしまいます。しかし、後にこの訴えが全くの嘘であることが判明し、義智は謹慎を解かれ、名誉を回復しました。それどころか、騒動を企てたのは発行派の側であったことが明らかになり、彼らは処罰を受けることとなりました。この騒動における義智の潔白が証明されたことは、彼の名声を大いに高めることとなりました。騒動後、義智はその功績を認められ、褒賞として500石の加増を受けました。

死去と家督相続

明和6年（1769年）、義智は56歳でこの世を去りました。長男の義武は既に亡くなっていたため、家督を誰が継ぐかが問題となりました。そこで白羽の矢が立ったのが、次男の義路（初めは宇都宮武綱）でした。義路は当時、久保田藩の重臣である宇都宮家の当主を務めていましたが、佐竹家に戻り、義智の養子となって佐竹東家の家督を相続することになりました。

佐竹義智は、藩政に尽力し、不当な罪を着せられながらも名誉を回復した人物として、歴史に名を残しています。彼の生涯は、武士としての誇りと責任感を示すものであり、後世に語り継がれるべき物語です。

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