佐竹義明

佐竹義明

佐竹義明（さたけ よしはる）は、江戸時代中期の久保田藩主であり、佐竹氏の第25代当主です。出羽岩崎藩主・佐竹義道の長男として生まれ、幼名は延寿丸、初名は義局と称しました。生母は佐竹義長の娘である昆（明鏡院）です。

生涯

1737年（元文2年）に父・義道の世嗣として8代将軍・徳川吉宗に謁見しました。1753年（宝暦3年）には、先代藩主・佐竹義真が亡くなったため、その末期養子として家督を相続し、久保田藩の第7代藩主となりました。同年には9代将軍・徳川家重にも謁見し、従四位下・侍従、右京大夫に叙任されています。1755年（宝暦5年）には、初めて領国である久保田へ入国しました。

藩主として、義明は藩の財政難を打開しようとしました。1754年（宝暦4年）には、前年からの米の凶作に対する対策として、幕府の許可を得て銀札を発行しました。しかし、米価の上昇を見込んだ商人たちが銀札での米の買い上げを拒否したため、銀札の兌換資金である銀正貨で買い上げる策に転換しました。この対応は結果として銀札発行の失敗につながり、1757年（宝暦7年）には、銀札発行を巡って家中が推進派と反対派に分かれて対立する「秋田騒動」が発生しました。この騒動の結果、推進派は処罰され、銀札の発行は中止されることとなりました。

1758年（宝暦8年）3月18日、義明は久保田城で亡くなりました。享年36歳でした。法号は恭温院徳岩玄光といい、墓所は秋田県秋田市の天徳寺にあります。跡は長男の義敦が継ぎました。

系譜

父：佐竹義道（1701年 - 1765年）
母：昆、明鏡院 - 佐竹義長の娘
養父：佐竹義真（1728年 - 1753年）
正室：直（光源院）（1729年 - 1748年） - 佐竹義峯の娘
長男：佐竹義敦（1748年 - 1785年）
側室：林氏
次男：佐竹義方（1754年 - 1809年）

偏諱を受けた人物

義局時代

渋江局光（家臣）

義明時代

* 渋江明光（家臣、局光の養子）

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