佐竹義種

佐竹義種（さたけ よしたね）は、永禄10年（1567年）に生まれ、元和5年6月1日（1619年7月11日）に没した、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将です。佐竹南家の第3代当主であり、幼名は新発意（しぼい）、または鶴寿丸と称しました。仮名として三郎、そして淡路守を名乗りました。

第2代当主である佐竹義尚の嫡男として生まれましたが、義種が5歳の時に父が早世したため、従兄弟にあたる佐竹義宣とともに太田城で養育されました。天正7年（1580年）には義宣と共に元服し、武将としての道を歩み始めます。天正12年（1585年）には、伯父である佐竹義重の指揮下で北条氏直との戦いに参加し、その武勇を示しました。その後、小田原征伐や朝鮮出兵にも義宣と共に従軍し、名護屋城に在陣するなど、各地で活躍しました。

関ヶ原の戦いにおいて、佐竹家は日和見的な態度をとったとして徳川家康から咎めを受け、慶長7年（1602年）に出羽久保田藩への転封を命じられました。この際、義種は先遣隊として部下を率いて秋田に入り、領地の受け入れ準備を迅速に進めました。この働きぶりを義宣は大変喜び、義種にどの封地が良いかを尋ねたといいます。義種は、最上氏や伊達氏といった有力大名と隣接する地こそ、戦乱の際に迅速に駆けつけることができるとして、湯沢城代を志願しました。湯沢城代となったものの、義種は城には住まず、麓に住居兼役所を設けて政務を執り行いました。

大坂の陣では両陣に参戦し、佐竹家の武力を示しました。元和5年、53歳で生涯を閉じ、家督は嫡男の義章が継ぎました。義種は、戦国時代の動乱期から江戸時代初期にかけて、武将として、そして領主として、その才能を発揮しました。その迅速な行動力と、冷静な判断力は、佐竹家を支える重要な要素となり、その功績は後世に語り継がれています。

参考文献
* 今泉徹「戦国期佐竹南家の存在形態」（所収:佐藤博信 編『中世東国の政治構造 中世東国論:上』（岩田書院、2007年） ISBN 978-4-87294-472-3）

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