佐竹義諶

佐竹義諶（さたけ よしつま/よしみち）は、江戸時代後期の大名であり、出羽国岩崎藩の第8代藩主です。佐竹壱岐守家の8代目当主でもあります。通称は東直五郎、求馬といい、官位は従五位下・壱岐守、播磨守でした。

経歴について、佐竹義諶は陸奥相馬中村藩主・相馬益胤の四男として生まれました。正室には、秋田藩士・佐竹義茂の養女である熊川氏を迎えました。佐竹家側の記録によれば、当初、義諶は中村藩士・岡田智胤の養子となり、岡田泰胤と称したとされています。しかし、相馬家側の記録では、義諶（幸之助）は中村藩士・熊川長基の養子となり、熊川長顕と名乗っていたとされています。この記録では、佐竹義諶を益胤の四男、岡田泰胤を益胤の五男としており、別人として扱っています。

安政4年（1857年）7月20日、実兄である秋田新田藩主・佐竹義核（後の佐竹義堯）が本家を相続することになったため、義諶は秋田新田藩佐竹家の養子となることを求められました。同年7月26日に中村を出発し、8月3日に江戸に到着。9月16日に義核の養子として家督を相続しました。

慶応4年（1868年）3月、出羽国河辺郡椿台に陣屋を構えました。それまで秋田新田藩佐竹家は特定の領地を持っておらず、江戸に定府していました。戊辰戦争では新政府軍として矢島口で庄内藩と戦い、武功を挙げました。明治2年（1869年）5月25日、養嗣子の義理に家督を譲り、隠居しました。明治3年（1870年）4月16日に34歳で亡くなりました。墓所は東京都板橋区小豆沢三丁目の総泉寺にあります。明治41年（1908年）9月9日、従四位を追贈されました。

系譜について、父は相馬益胤（1796 - 1845）、母は側室の池田氏です。養父には陸奥国相馬中村藩士の熊川長基と、佐竹義核（1825 - 1884）がいます。正室は寿（1835 - ?）で、佐竹義茂の養女であり、熊川氏の娘です。また、生母不明の子女として、3男1女がいます。長男は佐竹義脩（1854 - 1893）で、佐竹義堯の婿養子となり、佐竹宗家31代当主となりました。後に宗家から旧岩崎藩家分家に離籍しています。養子には相馬充胤の三男である佐竹義理（1858 - 1914）がいます。

佐竹義諶は、激動の幕末から明治初期にかけて生きた人物であり、その生涯は、藩主としての役割だけでなく、養子としての立場や戊辰戦争での活躍など、多岐にわたる経験に彩られています。

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