佐竹秀義

佐竹秀義は、平安時代末期から鎌倉時代前期にかけて活躍した武将であり、清和源氏の流れを汲む佐竹氏の3代目当主です。佐竹氏は、源義光の孫である源昌義が常陸国佐竹郷に移り住んだことに始まります。秀義は、2代目当主佐竹隆義の三男として生まれ、長兄・義政が上総広常によって謀殺されたため、家督を継ぐこととなりました。

秀義が当主となった頃、佐竹氏は房総半島の上総氏や千葉氏と対立し、平家との関係を深めていました。治承4年（1180年）、源頼朝が挙兵すると、多くの豪族が頼朝に従いましたが、佐竹氏は平家との関係からこれに反抗しました。同年10月、富士川の戦いで平氏軍が敗走すると、頼朝は佐竹氏を討伐することを決め、金砂城の戦いが勃発します。この戦いで佐竹氏は敗北し、秀義は奥州へと逃亡しました。

その後、秀義は父・隆義の死を受けて当主となりますが、頼朝への抵抗を続けていたとみられています。しかし、文治5年（1189年）の奥州合戦では頼朝軍に加わり武功を挙げ、御家人として認められました。この時、秀義が源氏の白旗を持参したところ、頼朝の旗と区別するため、扇を旗に付けるよう命じられたとされています。これが佐竹氏の家紋「五本骨扇に月丸」の由来です。

建久元年（1190年）、秀義は頼朝の上洛に随行し、承久3年（1221年）の承久の乱では高齢のため自らは参戦しませんでしたが、子の義重、秀繁らを派遣して功を上げさせました。嘉禄元年（1225年）、鎌倉で75歳で亡くなり、法号を蓮実と称しました。その後、家督は子の義重が継承しました。

佐竹秀義は、激動の時代を生き抜いた武将であり、佐竹氏の基礎を築いた人物として知られています。

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