佐藤仁 (政治家)

佐藤 仁

佐藤仁（さとう じん）は、1951年12月24日生まれの日本の政治家。宮城県本吉郡南三陸町長を5期務めています。以前は志津川町議会議員、志津川町長を歴任しました。

来歴

生い立ち

1951年（昭和26年）12月24日、宮城県本吉郡志津川町（現在の南三陸町）に生まれました。小学校3年生の時にチリ地震（1960年）の津波で家が全壊するという被災を経験しています。仙台市立仙台商業高等学校に進学し、高校時代は野球部に所属。正遊撃手として、同級生の八重樫幸雄らと第51回全国高等学校野球選手権大会に出場し、ベスト8入りを果たしました。

政治家として

その後、志津川町議会議員選挙に立候補し当選。政治家としてのキャリアをスタートさせます。さらに志津川町長選挙にも立候補し、当選。志津川町と歌津町との合併を推進し、新設合併を実現させました。

2005年（平成17年）に新設された南三陸町の町長選挙に立候補し、初当選。2009年（平成21年）の町長選挙でも再選を果たし、引き続き町政を担いました。合併時に策定された「新町建設計画」を着実に実行するとともに、町の主要産業として観光業を位置づけ、その振興発展に尽力しました。

東日本大震災

2011年（平成23年）3月11日に東日本大震災が発生。佐藤は南三陸町防災対策庁舎で津波の様子を確認するため屋上に上がったところ、津波に巻き込まれました。庁舎にいた職員約30名も被災し、庁舎は骨組みだけとなりました。屋上のアンテナにしがみつくなどして九死に一生を得た佐藤を含む約10名は生還しましたが、多くの職員が犠牲となりました。佐藤らは一晩を屋上で過ごし、副町長らと「流された職員の分まで頑張らなくてはいけない」と語り合ったと伝えられています。翌朝、津波が引いた後、避難所へ向かい、ベイサイド・アリーナに災害対策本部を設置。3月13日から公務に復帰し、復興に向けて陣頭指揮を執りました。

震災後、佐藤は高台への避難を指示せず庁舎に留まらせたことが原因で職員ら多数が犠牲になったとして、業務上過失致死容疑で告訴されましたが、2015年（平成27年）に不起訴処分となっています。

2013年（平成25年）、2017年（平成29年）、2021年（令和3年）の町長選挙で再選を果たし、現在5期目を務めています。

政策

観光業の振興

南三陸町の主要産業として、水産業と観光業を結びつけた旅行業の振興を図っています。リアス式海岸などの景観や新鮮な魚介類などを生かした観光を推進。中学生らに農業や漁業を体験させる旅行プランを提案し、多くの観光客を誘致しました。また、商店街や産業団体によるイベントや、ご当地グルメの開発なども支援しました。

デスティネーションキャンペーン

2008年の仙台・宮城デスティネーションキャンペーンでは、南三陸町推進協議会の会長として積極的に取り組みました。このキャンペーンをきっかけに、町民の「おもてなしの心」が根付いたと分析しています。

フィルムコミッション

映画やドラマのロケーション誘致にも力を入れています。映画『パンドラの匣』が南三陸町で撮影された際には、町民とともに協力しました。

合併の推進

志津川町長として、歌津町との合併を主導しました。新設された南三陸町では、「新町建設計画」に掲げた施策の多くを実行しました。

人物

趣味は野球。仙台商業高等学校時代には、夏の甲子園に出場した経験を持ちます。好きな球団は東北楽天ゴールデンイーグルスです。

略歴

1951年（昭和26年） - 誕生
1960年（昭和35年） - チリ地震津波で被災
1969年（昭和44年） - 第51回全国高等学校野球選手権大会出場
2002年（平成14年） - 志津川町長に就任
2005年（平成17年） - 南三陸町長（1期目）
2009年（平成21年） - 南三陸町長（2期目）
2011年（平成23年） - 東日本大震災発生、防災対策庁舎にて被災
2013年（平成25年） - 南三陸町長（3期目）
2017年（平成29年） - 南三陸町長（4期目）
2021年（令和03年） - 南三陸町長（5期目）

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