佐藤信吉

佐藤信吉（さとう しんきち）

プロフィール

佐藤信吉は、1911年に神奈川県で生まれ、2004年に生涯を閉じた日本の著名な経営学者です。横浜国立大学の名誉教授であり、日本経営数学会の名誉会長も務めました。

学歴と職歴

1935年に東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業後、1942年に山口高等商業学校の教授に就任しました。その後、1950年に横浜国立大学経済学部の助教授となり、1952年には同大学の教授に昇進しました。この間、1958年には名古屋大学から論文「単利計算の数理的研究」で経済学博士の学位を授与されました。

1963年に横浜国立大学経済学部が経済学科と経営学科の2学科制に移行した際、佐藤は経営学科の教授に就任しました。1967年に経営学部が新設されると、引き続き同教授として教鞭を執り、1973年には経営学部長に就任し、後進の育成に尽力しました。

退官後は、横浜国立大学名誉教授の称号を授与され、また、日本経営数学会の名誉会長として、その発展に貢献しました。1983年には、長年の教育研究への貢献が認められ、勲二等瑞宝章を受章、2004年には正四位に叙されました。

経営数学への貢献

佐藤信吉は、経営数学の分野において、特に重要な貢献をしました。1951年には、久武雅夫らと共に商業数学研究会（後の日本経営数学会）を設立し、経営数学の発展に大きく貢献しました。

彼の研究は、理論的な側面だけでなく、実務的な側面にも及び、その著書は多くの学生や実務家にとって不可欠なものとなりました。特に、会計数理や利回り計算、損害賠償額の算定に関する研究は、実務において非常に重要な役割を果たしました。

主な著書

佐藤信吉は、数多くの著書を執筆しており、その内容は経営学、特に会計や数学の分野に及んでいます。

『経済学・統計学研究のための微分積分学』（1948年、同文館）
『商業数学』（1949年、春秋社）
『会計数理の実務演習』（1951年、春秋社）
『会計数理と利廻計算』（1962年、森山書店）
『単利計算の理論と応用 : ホフマン法による損害賠償額算定の基礎』（1963年、春秋社）
『人身事故の賠償計算』（1969年、日本経済新聞社）
『総合減価償却論』（1985年、東洋経済新報社）
"The theory of composite depreciation" (1991年、Toyo Keizai Printing)

編著

『金利計算諸表』（1949年、春秋社）
『経営数学 : ビジネス・マセマティックス』（1960年、青林書院、久武雅夫と共編）
* 『経営数学小辞典』（1970年、中央経済社、久武雅夫と共編著）

まとめ

佐藤信吉は、日本の経営学界において、特に経営数学の分野で多大な貢献をした人物です。その研究は、理論と実務の両面から経営学の発展に寄与し、多くの後進を育成しました。彼の業績は、現代の経営学においても重要な基盤となっています。

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