佐藤昭子 (柔道)

佐藤 昭子（さとう あきこ、1968年4月1日 - ）は、岡山県岡山市出身の元柔道家である。現役時代は主に72kg級の選手として活躍し、身長は165cmであった。

高校2年生の時、将来婦人警官になりたいという強い動機から柔道を始めた。しかし、当時所属していた就実高校の部活動は、本格的な柔道練習とは言い難い「お遊び」に近いものだったという。このため、彼女は地元の町道場である正々館や、岡山武道館にも積極的に通い、自主的に厳しい稽古を積んだ。この懸命な努力が早期に実を結び、柔道を始めてわずか1年余りの高校3年生時には、強化選手選考会の72kg級において早くも3位入賞を果たす。

1986年、佐藤は国際武道大学へ進学する。大学での柔道環境は高校時代とは比較にならないほど厳しく、自分より30kgも軽い上級生に容易く抑え込まれるなど、柔道の奥深さと自身の未熟さを痛感する日々が続いた。高校時代の稽古がいかに基礎を欠いたものだったかを知り、当初は悔しさと厳しさから涙することもあったという。しかし、彼女は困難にめげることなく、稽古にひたむきに取り組み続けた。その粘り強さが実を結び、大学1年生の秋には、強化選手選考会の決勝で日体大の瀬戸口由美を破り、初めて全国大会での優勝を飾った。

大学2年生時には体重別選手権で3位に入賞するものの、同年の強化選手選考会では決勝で当時高校3年生だった矢崎利加（東海大第三高校）に敗れ、2位となる。しかし、大学3年生になると再び調子を取り戻し、強化選手選考会の決勝で、大学の後輩となっていた矢崎利加を破り、2年ぶり2度目の優勝を果たした。この年にはアジア選手権でも2位となり、体重別選手権でも3位に入賞するなど、国内外で安定した成績を残した。また、無差別級で争われる全日本学生柔道選手権大会では、決勝まで勝ち進むものの、国士舘大学の黒川琴美に惜敗し、準優勝となった。大学4年生の1989年には、体重別選手権と正力杯61kg超級でそれぞれ3位に入賞。さらに、強化選手選考会では郡上高校の福場由里子を破り、2年連続3度目の優勝を飾り、強豪としての地位を確固たるものにした。また、福岡国際女子柔道選手権大会でも3位に入賞するなど、大学時代を通じて日本のトップ選手として活躍した。

1990年からは大阪府警に所属を移し、社会人柔道家として競技を続けた。社会人1年目の強化選手選考会では3位に入賞。1991年の強化選手選考会では、龍谷大学の増田仁子を決勝で破り、通算4度目の優勝を飾った。そして、1992年の全日本女子柔道選手権大会では、階級無差別という厳しい舞台で自身の柔道を展開し、快進撃を見せる。準々決勝では、当時「超高校級」として注目を集めていた柳川高校1年生の阿武教子を判定で退ける番狂わせを演じ、続く準決勝でもコマツの鈴木香を判定で破り、決勝進出を決めた。決勝では、大会6連覇を目指す女子柔道界の第一人者であった田辺陽子（ミキハウス）に敗れ、惜しくも優勝は逃したものの、準優勝という輝かしい成績を残し、その存在感を改めて示した。

佐藤昭子のキャリアは、高校から柔道を始め、厳しい環境にも挫けずに努力を重ねることで、日本のトップレベルまで駆け上がった軌跡を示している。特に、強化選手選考会での複数回の優勝や、全日本選手権での準優勝は、彼女の粘り強く、勝負強い柔道の質の高さを証明している。

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