佐藤益美

佐藤益美（さとう ますみ）は、1921年（大正10年）に生まれ、2015年（平成27年）に93歳で亡くなった日本の政治家です。大分県大分市長として、1975年（昭和50年）から1991年（平成3年）までの4期16年間、市政を担いました。

市長就任前は社会党に所属し、革新系候補として市長選に出馬し、初当選を果たしました。在任中は、市民との対話を非常に重視し、年間150回を超える対話集会を開催しました。これらの対話集会を通じて、市民の意見を市政に反映させるよう努めました。市民の声を直接聞き、それを市政に活かすという姿勢は、佐藤益美の政治家としての大きな特徴でした。

また、国際交流にも積極的に取り組みました。1978年（昭和53年）には、ポルトガルのアヴェイロ市と姉妹都市提携を結びました。アヴェイロ市は、中世の南蛮貿易で大分と縁があったことがきっかけでした。さらに、1979年（昭和54年）には、製鉄業が盛んな中国湖北省の武漢市と友好都市提携を結び、1990年（平成2年）には、半導体産業が盛んなアメリカ合衆国テキサス州のオースチン市と姉妹都市提携を結びました。これらの国際交流は、大分市の国際的な視野を広げる上で重要な役割を果たしました。

1992年（平成4年）には、長年の功績が認められ、勲三等旭日中綬章を受章しました。この勲章は、佐藤益美の社会への貢献を国が認めた証と言えるでしょう。

大分市では、佐藤益美が市長に就任して以来、40年にわたり非自民党系の市長が続きました。これは、佐藤益美が築いた市政運営の方針や、市民からの信頼が受け継がれていたことを示しています。

2015年3月2日、心筋梗塞のため93歳で亡くなりました。その功績を称え、没日付で正八位から従四位に進階しました。

著書として、『街に人の和 緑の輪』（1985年）、『天に道あり 人に心あり』（1990年）、『来し方の記』（2002年）があります。これらの著書からは、佐藤益美の人生観や政治に対する考え方を窺い知ることができます。

佐藤益美は、市民の声に耳を傾け、国際交流を推進した、大分市にとって重要な市長でした。その功績は、現在の大分市政にも大きな影響を与えています。

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