佐藤矩行

佐藤矩行

佐藤矩行（さとう のりゆき）は、日本の著名な生物学者であり、発生生物学、分子生物学の研究者として知られています。沖縄科学技術大学院大学（OIST）教授、京都大学名誉教授。

人物・経歴

1945年1月、新潟県に生まれました。北海道大学の文学部と医学部の受験に失敗後、1年間の浪人生活を経て、1969年に弘前大学理学部生物学科を卒業。その後、北海道大学大学院への進学を志望するも、1971年に新潟大学大学院理学研究科生物学修士課程を修了しました。1973年には東京大学大学院理学系研究科博士課程を中退（江上信雄研究室）。

1973年、京都大学理学部動物学教室の助手となり、研究生活をスタート。1974年には、「メダカの性分化に関する発生細胞学的研究」で東京大学より理学博士号を取得。当時、研究室の教授と助教授が相次いで急逝し、助手として研究室を支えることとなりました。1980年に助教授に昇格、1994年には教授に昇格し、1995年からは理学研究科教授として教鞭をとりました。2009年に京都大学を定年退任。

退任後は、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構マリンゲノミックスユニットの代表研究者を経て、2011年より沖縄科学技術大学院大学（OIST）の教授に就任しました。

研究業績

佐藤矩行は、主にホヤのゲノム研究に取り組み、その分野で大きな業績を上げています。ホヤは、脊索動物であり、脊椎動物の進化を理解する上で重要な生物です。佐藤の研究は、ホヤのゲノム構造や遺伝子機能を解明し、脊椎動物の進化における重要な手がかりを提供しました。

受賞・栄誉

2004年：東レ科学技術賞を受賞。
2006年：紫綬褒章を受章。
2010年：米国発生生物学会より「エドウィン・グラント・コンクリン・メダル」を授与。
2011年：弘前大学名誉博士の称号を授与。
2018年：秋の叙勲で瑞宝中綬章を受章。

著書・訳書

共編著
『ホヤの生物学』東京大学出版会 1998年
『生物学 新しい教養のすすめ』西田利貞共編 昭和堂 2003年
『動物の形態進化のメカニズム』倉谷滋共編 培風館 2007年
翻訳
* 『無脊椎動物の進化』パット・ウィルマー著 藤原滋樹,西川輝昭共訳 蒼樹書房 1998年

佐藤矩行は、日本の生物学、特に発生生物学の分野において、多大な貢献をしてきました。その研究成果は、国内外で高く評価されています。

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