佐藤等

佐藤 等（さとう ひとし）

日本の公認会計士であり、経営学の巨匠P.F.ドラッカーの研究家として、経営者教育やドラッカー思想の普及に尽力する人物。アウル税理士法人の代表社員、有限会社ナレッジプラザの代表取締役を務めるほか、ドラッカー学会の共同代表としても活動している。1961年7月13日、北海道函館市に生まれる。

経歴

小樽商科大学商学部で経営学を学び、1984年に卒業。その後、公認会計士を目指し、1990年に公認会計士試験に合格。同年、佐藤等公認会計士事務所を開設し、独立したキャリアをスタートさせる。

さらなる研鑽を積み、2002年には小樽商科大学大学院商学研究科の修士課程を修了。同年には有限会社ナレッジプラザを設立し、経営に関する教育事業やコンサルティング活動を本格化させる。

佐藤氏の活動において特筆すべきは、P.F.ドラッカーの思想を経営実践に結びつけるための取り組みである。2003年からは、中小企業経営者を中心に据えたドラッカーの読書会を各地で主宰。以来17年間にわたり、北海道から九州に至る17都道府県、24か所に及ぶ会場で、通算800回以上もの読書会を開催してきた。この読書会は、単にドラッカーの著作を読むだけでなく、その思想を自社の経営にいかに応用するかを参加者が深く議論し、学び合う場となっている。また、この活動を通じて、ドラッカー読書会のファシリテーター（進行役）を育成することにも力を入れている。

2021年には、税務・会計の専門知識と経営思想を融合させたサービスを提供するため、アウル税理士法人を設立し、その代表社員に就任。公認会計士としての専門性とドラッカー研究家としての知見を活かし、企業の経営支援に取り組んでいる。

ドラッカー研究家としての活動

佐藤氏は、ドラッカーの著作を深く読み込み、その本質を経営現場で活かすための実践的な研究を行っている。特に、ドラッカーが提唱した「自己責任」「貢献」「真摯さ」といった人間的な側面や、「組織の目的は顧客の創造である」という経営の根幹に関わる思想を重視している。読書会やセミナーを通じて、これらの思想を経営者に伝え、変化の激しい現代社会において持続的に成長する組織を作るための指針を提供している。単なる知識の伝達にとどまらず、参加者自身がドラッカーの言葉から自社の課題解決のヒントを得られるよう、対話型の学びを重視している点が特徴である。

著書

ドラッカー研究の成果は、数多くの書籍としてまとめられている。単著と編著の形式で、ドラッカーの思想を様々な角度から解説し、その実践方法を提示している。

単著

『ドラッカーを読んだら会社が変わった!』（編集協力：清水祥行）日経BP社, 2005年. ISBN 978-4-822-23574-1
『ドラッカー教授 組織づくりの原理原則』（編集協力：清水祥行）日経BP社, 2019年. ISBN 978-4-296-10493-2
『ドラッカーに学ぶ人間学』致知出版社, 2020年. ISBN 978-4-8009-1264-0

編著

上田惇生氏の監修のもと、「実践するドラッカー」シリーズの編著に携わった。

『実践するドラッカー【思考編】』ダイヤモンド社, 2006年. ISBN 978-4-478-00023-6
『実践するドラッカー【行動編】』ダイヤモンド社, 2009年. ISBN 978-4-478-01293-2
『実践するドラッカー【チーム編】』ダイヤモンド社, 2010年. ISBN 978-4-478-01457-8
『実践するドラッカー【事業編】』ダイヤモンド社, 2012年. ISBN 978-4-478-01717-3
『実践するドラッカー【利益とは何か】』ダイヤモンド社, 2013年. ISBN 978-4-478-02432-4

これらの著書や長年の読書会活動を通じて、佐藤氏はドラッカーの普遍的な経営哲学を日本の経営者や組織に根付かせることに貢献している。

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