佐藤誠 (工学者)

佐藤 誠（さとう まこと）

佐藤 誠氏は、1951年2月生まれの日本の情報工学者です。長年にわたり東京工業大学で教鞭をとり、現在は同大学の名誉教授の称号を有しています。特にバーチャルリアリティ分野における研究で知られ、日本バーチャルリアリティ学会の会長も務めた経験を持ちます。

人物と経歴

佐藤氏は愛知県名古屋市に生を受けました。学業は東京工業大学で積み重ね、1973年に同大学工学部の電子物理工学科を卒業します。さらに学びを深め、1978年には東京工業大学大学院理工学研究科電気工学専攻の博士課程を修了し、工学博士の学位を取得しました。同年、東京工業大学情報工学科の助手として研究者としての道を歩み始めます。

その後、キャリアを積み重ね、1986年には東京工業大学精密工学研究所の助教授に昇任。1996年には同研究所の教授となり、教育研究の中心的役割を担いました。大学での職務に加え、2000年には通信・放送機構の研究フェローとしても活動しています。

学術団体の運営にも積極的に関与し、2008年には電子情報通信学会のヒューマンコミュニケーショングループ運営委員長を務めました。また、同年には日本バーチャルリアリティ学会の会長に就任し、バーチャルリアリティ研究分野の発展に貢献しました。2012年には、所属する東京工業大学精密工学研究所の所長を務めるなど、組織運営においてもリーダーシップを発揮しています。

2016年に東京工業大学を退職し、名誉教授となりました。同年、三次元映像のフォーラムの代表幹事も務めています。これ以外にも、首都大学東京や電気通信大学の客員教授、中国科学院上海SIMIT研究所の客員顧問など、国内外の教育研究機関で要職を歴任し、幅広い分野でその知見を提供してきました。

受賞

佐藤氏の研究成果は国内外で高く評価されており、数多くの権威ある賞を受賞しています。主な受賞歴は以下の通りです。

手島精一記念研究賞論文賞（1995年）
電子情報通信学会論文賞（1997年）
3次元画像コンファレンス'99優秀論文賞（2000年）
手島工業教育資金団手島記念研究賞発明賞（2000年）
NICOGRAPH International Best Paper Award（2002年）
LAVAL VIRTUAL AWARDS’PALMARES (Category Engineer)（2002年）
第3回システムインテグレーション（SI2002）部門講演会ベストセッション賞（2002年）
第18回NICOGRAPH 論文コンテスト審査員特別賞（2002年）
平成15年度芸術科学会 第1回『DIVA』展入選・優秀賞（2003年）
芸術科学会論文賞（2003年）
CAADRIA Best Presentation（2004年）
EuroHaptics Best Paper Award（2004年）
日本VR学会論文賞（2005年）
ACE BEST PAPER AWARD（2005年）
Village de la Creation（2006年）
エンタテインメントコンピューティング優秀論文賞（2006年）
Trophee Personnages Animes en temps reel（2006年）
日本バーチャルリアリティ学会論文賞（2008年）
ACE Best Paper Award（2009年）
SIGGRAPH Asia BEST VIRTUAL＆AUGMENTED REALITY TECH（2019年）

これらの受賞は、佐藤氏が情報工学、特にバーチャルリアリティや三次元映像、ヒューマンコンピュータインタラクションといった分野で、先駆的かつ重要な研究成果を生み出してきた証と言えます。教育者、研究者、そして学会のリーダーとして、日本の情報科学技術の発展に大きく貢献した人物です。

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