佐賀県民の歌

佐賀県民の歌

「佐賀県民の歌」は、佐賀県によって定められた県民歌で、作詞は明石省八、作曲は團伊玖磨が手がけています。1936年には初代の県民歌が制定されましたが、広く普及することなく、1945年にはほとんど忘れ去られてしまいました。そこで、県の歴史や文化を大切にする意義から、新しい県民歌の制定が企画されました。

制定の経緯

1973年に新たに県民歌の歌詞の公募が行われ、296作品が応募される中で、明石省八の歌詞が選ばれました。彼は小城市の出身で、当時は新日本製鐵の従業員でした。作曲にあたった團伊玖磨は、その音楽的な才能で多くの名曲を生み出しており、本作品のために美しい旋律を創り出しました。制定の意義として、公式サイトでは「自然と調和し、未来に希望を抱く姿を表現した」と説明されています。

制定と演奏

1974年2月11日に正式に制定された「佐賀県民の歌」は、同年3月21日の「文化講演の夕べ」で初めて演奏されました。その時に、日本コロムビアからは歌唱を録音したソノシートも製作され、栗林義信の歌声と共に人々に親しまれることとなりました。県民歌が歌われる場面はその後もあったものの、時代の流れと共に他の新しい楽曲に隠れてしまった感もあります。

その後の愛唱歌

1993年には「風はみらい色」が発表され、その後2000年には「栄の国から」、さらには今もなお県民の心に響く楽曲が作成されています。しかし、県民歌が演奏される機会は次第に少なくなってきています。それでもなお、県庁には「また聴きたい」という問い合わせが届けられることもあり、根強い人気が伺えます。

特別なイベント

2005年には、「團伊玖磨記念『筑後川』in佐賀2005」で合唱バージョンが披露され、その際の映像も公式サイトで閲覧可能です。また、2007年には西日本新聞社の開局100周年を記念して、歌詞にちなんだ時計台が佐賀県総合運動場に寄贈されるなど、地域の人々がこの歌を通じてつながっています。

「佐賀県民の歌」は、ただの歌ではなく、地域の歴史や文化、そして未来への希望を継承する重要な作品です。この曲を通じて、郷土を愛し、地域の強い絆を感じることができるでしょう。

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