余物語

概要

『余物語』は、西尾維新による人気小説シリーズ〈物語〉シリーズの通巻25巻目にあたる作品です。講談社BOXレーベルから2019年4月に刊行されました。イラストはVOFANが担当しています。

本作は、現代の怪異をテーマにした物語で、『終物語』で一旦完結したシリーズが、オフシーズンを経て復活したモンスターシーズンの第三弾となります。前作『宵物語』に続き、主人公である阿良々木暦の大学生生活が描かれており、第四話「よつぎバディ」、第五話「よつぎシャドウ」の二つの物語が収録されています。

「よつぎバディ」では、大学生活初の夏休みを目前にした阿良々木暦が、死体の付喪神である斧乃木余接と共に、児童虐待事件の調査に乗り出します。一方、「よつぎシャドウ」は、『宵物語』に収録された「まよいスネイク」に続く、モンスターシーズン「撫子編」の第二章。千石撫子が、専門家の元締めである臥煙伊豆湖の依頼を受け、首吊り事件が多発する物件の調査に挑む様子が描かれています。

パッケージイラストには、白いマキシ丈のワンピースを身にまとった斧乃木余接が描かれており、モノクロイラストでは、撫子と余接が共演しています。

あらすじ

よつぎバディ

国立曲直瀬大学に通う阿良々木暦は、初の夏休みを前に、家住羽衣准教授から、自分の三歳の娘への虐待を打ち明けられます。娘の安否を心配した家住准教授は、暦に娘の様子を見てきてほしいと依頼します。暦は、斧乃木余接と共に家住准教授の家を訪れ、子供部屋で衝撃的な光景を目撃することになります。

よつぎシャドウ

阿良々木家から千石撫子の元へやってきた斧乃木余接は、撫子を臥煙伊豆湖に引き合わせます。伊豆湖は撫子の能力を認め、首吊り屋敷の調査を依頼します。中学校卒業後の住居を紹介してもらうことを条件に、撫子は謎の解明に挑みます。

登場人物

阿良々木 暦（あららぎ こよみ）:
本シリーズの主人公。国立曲直瀬大学数学科の学生。かつて吸血鬼だったが、現在はほぼ人間。両親は警察官で、現在は怪異の専門家である臥煙伊豆湖とは関係を断っています。
斧乃木 余接（おののき よつぎ）:
死体から作られた付喪神の少女。阿良々木家では等身大のぬいぐるみとして扱われています。本作では、自身の分身を作り出す能力を発揮します。
家住 羽衣（いえすみ はごろも）:
国立曲直瀬大学の准教授。暦にスイスドイツ語を教えています。自分の娘への虐待について暦に相談を持ちかけます。
家住 唯々恵（いえすみ いいえ）:
家住羽衣の三歳の娘。実際は、人形のような存在です。
食飼 命日子（はむかい めにこ）:
国立曲直瀬大学数学科の一年生。暦の大学での友人です。
老倉 育（おいくら そだち）:
暦の幼馴染。児童虐待の専門家として家住准教授に暦を紹介します。現在は暦と絶交中です。
日傘 星雨（ひがさ ほしあめ）:
私立直江津高校の元女子バスケットボール部キャプテン。阿良々木家によく遊びに来ています。
阿良々木 月火（あららぎ つきひ）:
暦の妹。ポニーテールが特徴です。
忍野 扇（おしの おうぎ）:
私立直江津高校の二年生。怪異の専門家・忍野メメの姪または甥。男姿と女姿の二つの側面を持っています。
羽川 翼（はねかわ つばさ）:
暦の元同級生。海外放浪から帰国し、国際地雷撤去委員会の委員長として活動しています。
千石 撫子（せんごく なでこ）:
元北白蛇神社の神様。漫画家を目指す中学三年生。

書籍情報

著者: 西尾維新
イラスト: VOFAN
タイトル: 『余物語』
レーベル: 講談社BOX
発売日: 2019年4月17日
ISBN: 978-4-06-515225-6

Webアニメ

2024年7月から配信されるWebアニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』にて、本作を含むモンスターシーズンの作品がABEMAなどで配信される予定です。

外部リンク

講談社BOX：西尾維新＜物語シリーズ＞公式サイト (ウェイバックマシン)

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