宵物語

概要

『宵物語』は、西尾維新による人気シリーズ〈物語〉シリーズの通巻24巻目にあたる作品です。講談社BOXレーベルより2018年6月に刊行されました。イラストはVOFANが担当しています。

本作は、『終物語』で一度完結した〈物語〉シリーズが、オフシーズンを経て復活したモンスターシーズンの第二弾として位置づけられています。前作『忍物語』でリセットされた話数を受け、本作には第二話「まよいスネイル」と第三話「まよいスネイク」が収録されています。

「まよいスネイル」では、大学一年生になった主人公・阿良々木暦が、八九寺真宵、忍野忍、斧乃木余接と共に、小学生女児誘拐事件の真相を究明する過程が描かれます。「まよいスネイク」では、千石撫子から八九寺真宵への神権引き継ぎの儀式が執り行われる様子が描かれています。

パッケージイラストには、ピンク色のリュックサックを背負ったお馴染みの八九寺真宵が描かれており、足元には蝸牛の殻が配置されています。八九寺真宵が表紙を飾るのは本作で二回目となります。

あらすじ

まよいスネイル

国立曲直瀬大学に進学した阿良々木暦は、母校である私立直江津高校の後輩・日傘星雨から、小学生女児誘拐事件の相談を受けます。失踪した少女・紅口孔雀のものと思われる歯が自宅の郵便受けで発見されたという情報から、阿良々木暦は八九寺真宵、忍野忍、斧乃木余接と共に事件の真相解明に乗り出します。

まよいスネイク

怪異の専門家である影縫余弦の計らいで、北白蛇神社の元神様である千石撫子から、現神様である八九寺真宵への神権引き継ぎの儀式が執り行われます。八九寺真宵と初対面した千石撫子は、神権譲渡のためにある試練に挑むことになります。

登場人物

阿良々木 暦（あららぎ こよみ）
本シリーズの主人公。国立曲直瀬大学数学科に進学。かつて吸血鬼だったが、現在はその力をほとんど失い、人間に近い状態に戻っている。大学では幼馴染の老倉育のアパートの掃除をしたり、同じ数学科の食飼命日子と交流している。
八九寺 真宵（はちくじ まよい）
北白蛇神社の神となった永遠の小学五年生。トレードマークはツインテール。
忍野 忍（おしの しのぶ）
かつて暦を吸血鬼にした吸血鬼。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという名を持つ怪異の王であったが、現在はその名と力の大部分を失っている。本作では599歳。
斧乃木 余接（おののき よつぎ）
死体から作られた付喪神の童女。阿良々木家で等身大のぬいぐるみとして生活している。
紅口 孔雀（べにぐち くじゃく）
小学五年生。紅口雲雀の義妹。本作の中心人物の一人で、突然失踪する。
紅口 雲雀（べにぐち ひばり）
紅口孔雀の義姉。直江津高校の女子バスケットボール部OGで、樟脳水戸乃の中学時代の先輩。
紅口 幹吉（べにぐち みきよし）
紅口雲雀の実父であり、紅口孔雀の義父。
紅口 豊子（べにぐち とよこ）
紅口孔雀の実母であり、紅口雲雀の義母。
神原 駿河（かんばる するが）
阿良々木暦の直江津高校時代の後輩。現在は三年生。かつては女子バスケットボール部を全国大会に導いたエースで、日傘星雨と樟脳水戸乃の同級生。
戦場ヶ原 ひたぎ（せんじょうがはら ひたぎ）
阿良々木暦の恋人で、同じく国立曲直瀬大学に進学。現在は女子寮に住む。
日傘 星雨（ひがさ ほしあめ)
神原駿河と同じ直江津高校の三年生の元女子バスケットボール部キャプテン。阿良々木暦に紅口孔雀失踪の件で相談を持ちかける。
樟脳 水戸乃（しょうのう みとの）
直江津高校の女子バスケットボール部OG。紅口雲雀の友人。
千石 撫子（せんごく なでこ）
元北白蛇神社の神様。現在は漫画家を目指す中学三年生。
影縫 余弦（かげぬい よづる）
不死の怪異を専門とする専門家。式神である斧乃木余接の主人でもある。通称・暴力陰陽師。斧乃木余接という死体を蘇らせたことで下半身に呪いを抱えている。本作では、千石撫子から八九寺真宵への神権譲渡の儀式を取り計らう。
臥煙 伊豆湖（がえん いずこ）
怪異の専門家の元締め。忍野メメや貝木泥舟などの怪異の専門家達の大学時代の先輩で、何でも見抜く「何でも知っている」女性。

書籍情報

著者: 西尾維新
イラスト: VOFAN
タイトル: 『宵物語』
レーベル: 講談社BOX
発売日: 2018年6月14日
* ISBN: 978-4-06-511992-1

Webアニメ

2024年7月より配信されるWebアニメ『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン』にて、本作がモンスターシーズンの他4作品と共にABEMAなどで配信予定。

もう一度検索