佛現寺 (伊東市)

佛現寺の歴史と特徴

静岡県伊東市にある佛現寺（ぶつげんじ）は、日蓮宗の本山であり、山号は海光山です。この寺院は、日蓮大聖人ゆかりの地として知られ、長い歴史を有しています。

歴史のはじまり

佛現寺の起源は、弘長元年（1261年）にさかのぼります。日蓮は、鎌倉から伊豆地方に配流されていた際、熱病に苦しんでいた伊東の領主・伊東祐光を祈祷によって癒しました。この出来事が、日蓮に毘沙門堂の草庵を与える契機となりました。彼はこの地で『四恩抄』や『教機時国抄』といった著作を執筆しました。これにより、佛現寺は日蓮教の重要な霊跡とされました。

江戸時代の管理体制

寺の管理は、古くは惣堂または惣堂山と呼ばれており、江戸時代には近隣の八つの日蓮宗寺院が輪番でその運営を支えていました。これらの寺院には、伊東山大行寺、恵日山妙昭寺、興英山妙法寺、長津山法船寺などが含まれます。八箇寺は寺社奉行に寺領の安堵を求め、延宝6年（1678年）には本山の京都妙満寺に赴いて朱印を得るなど、結びつきを強めていました。当時、佛現寺は一致堂と勝劣堂という二つの御堂に分けられ、それぞれの管理下で運営されていました。

明治維新以降の変遷

明治維新が進むと、輪番制度が廃止され、佛現寺は独立した寺院としての地位を確立します。これにより日蓮宗の本山の一つとして扱われるようになりました。しかし、明治8年（1875年）には火災、大正12年（1923年）には関東大震災に見舞われ、寺院は大きな被害を受けました。それでも、その後は復興が進み、1951年には霊跡寺院に指定されました。現在の山門は江戸時代の末期に建てられたもので、祖師堂や毘沙門堂は昭和26年に建立されたものです。現在、佛現寺の住職は10代目の板垣日祐貫首が務めています。

霊的な伝承

佛現寺には「天狗の詫び状」と呼ばれる神秘的な文書があります。この巻物は、万治元年（1658年）頃に天狗によって旅人が苦しめられていた際、住職・日安上人が天狗を懲らしめ、残された詫び状とされています。この難解な文書は未だに解読されておらず、さまざまな説が唱えられています。

寺院には「天狗の髭」とも言われる貴重な遺物があり、こちらも不思議な呪文が記された書き付けがあるとされ、天狗にまつわる神秘を感じさせます。

交通アクセス

佛現寺へのアクセスは、JR伊東線または伊豆急行線の伊東駅から徒歩で約25分、または東海バスを利用するのが便利です。バスは「仏現寺下」停留所で下車し、そこから徒歩約5分です。タクシーを利用する場合は、駅から数メーターの距離です。

このように、佛現寺は歴史的にも霊的にも興味深い寺院であり、多くの信者に支持されています。訪れることで、その神秘な雰囲気と長い歴史を肌で感じることができるでしょう。

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