使徒 (新世紀エヴァンゲリオン)

使徒（しと）

使徒とは、日本のアニメーション作品《新世紀エヴァンゲリオン》およびその続編《ヱヴァンゲリヲン新劇場版》に登場する架空の生命体で、人類に敵対する存在です。特務機関NERV（ネルフ）の本部が置かれている第3新東京市に襲来し、様々な形態や能力で人類に対峙します。

概要

この作品における「使徒」は、謎の生命体を指し、他の使徒と協力して行動することはなく、必ず単独で出現します。名前は、聖書の偽典に登場するエノク書の天使から取られています。人類は第18使徒であるリリンとして扱われていますが、「使徒」と呼称される場合は、人類と敵対する生命体を指すことが一般的です。

使徒の総数は、テレビ版ではリリスやアダムを含め全18種が登場し、漫画版では一部の使徒が異なる形で登場します。使徒の襲来には、地下にあるNERV本部に封印された第1使徒アダムと融合し、サードインパクトを引き起こす目的があるとされています。この事は、作品内で描かれる人類補完計画と関わりがあります。

起源と設定

使徒に関する設定は様々な過程で変更され、旧来の設定と新しい設定が交錯しています。その起源は「第1始祖民族」に遡るとされ、月から飛来したアダムとリリスという2つの使徒が重要な存在です。アダムからは第3から第16使徒が生み出され、リリスからは原始生命が進化し人類に至ります。

使徒たちは「生命の実」を持つ存在として描かれ、彼らの力を持ちながらも、進化した人類は「知恵の実」を受け継ぎ、互いに生存をかけた戦いを繰り広げることになります。

特徴

使徒は独自の波長パターンを持っていて、MAGIシステムによってその特性が識別されます。A.T.フィールドと呼ばれる不可視の防壁を展開し、人類の通常兵器では突破が不可能な防御を持っています。アダム系使徒は「コア」を持ち、それを破壊されることで活動を停止しますが、コアが守られた状態であればなおも行動し続けることができます。

また、使徒は必ず単体で現れるため、それぞれが一人ひとりに対して特異な関係を持っていますが、同時に人類に対して興味を持つ側面も描かれています。この意味で、彼らは人類との対立の中で理解を深めようとしているとも解釈できます。

登場使徒

劇中では、使徒は番号によって呼称され（例えば第1使徒アダム、第2使徒リリスなど）、各使徒はそれぞれ特徴的な外見と能力を持っています。アダムは光る人型で、生命の源とされ、リリスは知恵の源として人類の始祖です。その後の使徒たちも各々の神話や伝承に基づいてデザインされ、さまざまな形態を持ちます。

例えば、第3使徒サキエルは水中から出現し、《初号機》と戦い、第4使徒シャムシエルはイカのような姿をしており、また、第5使徒ラミエルは青い正八面体の形状をしています。

使徒たちとの戦闘は、エヴァンゲリオンを駆使した人類の戦いとして描かれており、物語の核となる重要な要素です。使徒との戦闘を通じて、物語は人間の存在や苦悩、成長といったテーマを浮き彫りにしています。

結論

使徒は《新世紀エヴァンゲリオン》の中心に位置するコンセプトであり、彼らとの戦いを通じて展開される人類とその存在への問いかけは、視聴者に深い考察を促します。リアルで多面的な使徒の描写は、作品における敵対者としての役割を超えて、命の本質や人間の意識に対する理解を求めるものとして存在します。

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