価格等統制令

価格等統制令

概要

価格等統制令（かかくとうとうせいれい）は、1941年10月18日に公布された日本の勅令で、物価の統制とそれに関連する運搬費用の管理を目的としていました。この令は、最高販売価格を定め、官報で商工省の告示を通じて実施されたもので、当時の日本経済における重要な法令の一つとして位置付けられています。

施行背景

1940年代初頭、日本は日中戦争の影響を受けており、経済は困難な状況にあった。国民は物資不足と食糧の欠乏に苦しんでいたため、物価が急騰し、一般市民の生活は極めて厳しいものでした。これを受けた政府は、物価の上昇を抑制し、国民の生活を安定させるための手段として価格等統制令を制定しました。

当初、1937年8月には暴利取締令が強化され、その後も様々な規則や法令が次々に公布されるなど、物価統制の必要性が増していました。特に、1939年の9月にはヨーロッパで第二次世界大戦が勃発し、日本もその影響を受けることとなります。この様な国際情勢と国内状況は、価格統制令の制定を一層促進しました。

法的根拠

価格等統制令は、国家総動員法第19条を根拠にしており、この条文では政府が戦時に必要な場合、物価や運送費用、賃貸料などを統制する権限を定めていました。このため、価格等統制令は、国家総動員法に基づく「勅令」として1941年に施行されたのです。

制度の運用

この令は、商工省からの告示を通じて、特定の商品の最高販売価格を設定しました。価格の据え置きと値上げの禁止が行われ、上限価格は公定価格として適用されました。しかし、実施された結果、物価が抑えられたものの、商品の流通や生産の減少を招き、逆に国民の窮乏化を深刻化させる要因となったのです。

終息とその後

第二次世界大戦が終結する1945年以降、日本経済は依然として物資や食糧不足、さらにはインフレーションに悩まされました。この様な情勢の中で、1946年に物価統制令が公布され、これにより価格等統制令は廃止されました。

関連する勅令

価格等統制令は、国家総動員法第19条に基づく多くの関連勅令の一部として存在しており、以下のような勅令がその例に挙げられます：

• - 地代家賃統制令（1941年10月18日公布）
• - 小作料統制令（1941年12月6日公布）
• - 宅地建物等価格統制令（1942年11月21日公布）
• - 臨時農地価格統制令（1943年1月30日公布）
• - 株式価格統制令（1943年8月30日公布）

これらの勅令は、価格統制を行うための枠組みを確立し、戦時経済の安定化を目指したものでした。

結論

価格等統制令は、日本の戦時における経済政策の一環として重要な役割を果たした法律であり、その施行は国民生活に深刻な影響を及ぼしました。経済統制が国民の生活に与える影響を考える際、この令の意義を理解することが重要です。

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