保品

千葉県八千代市保品（ほしな）の詳細

概要

保品は、千葉県八千代市の東部に位置する地域で、郵便番号は276-0013です。地理的には、八千代市の最東端にあり、北部は印旛沼と印旛放水路（新川）に接しています。新川は通常、印旛沼に流入する河川ですが、大雨時には東京湾へ逆流する特徴があります。集落は段丘部分に形成され、河川側は田園地帯、台地側は果樹園や針葉樹林が広がっています。

もえぎ野ニュータウン

地域の西部では、大成建設によるニュータウン「もえぎ野」の開発が進んでいます。この複合開発は、大学施設、研究施設、住宅用地を含み、総区画数は836戸を予定しています。もえぎ野は通称名で、正式名称は「八千代カルチャータウン」です。他の区画整理事業とは異なり、建築協定によって宅地分譲が行われています。

1992年に千葉県知事の認可を受け、翌年には東京成徳大学が開校しました。当初は1999年に工事完了予定でしたが、埋蔵文化財調査の影響で遅延しました。宅地分譲は2000年代から本格化しています。

道路は幅員6mを確保し、中心となるもえぎ野通りは蛇行させることで車の速度を抑制しています。また、ビオトープの設置や、街区ごとの植栽、動植物を刻印した車止めなど、自然への配慮がなされています。交通アクセスは、東洋バス岩戸線が運行していますが、2005年にはもえぎ野車庫が設置され、路線の主軸となっています。2022年3月には、市街化区域に編入されました。

歴史

保品の地名は、南北朝時代には「星名郷」と呼ばれ、江戸時代に「保品」に変化しました。「穂階」を意味し、川底から台地への急な坂を示すと考えられています。

原始・古代

保品地域は、隣接する神野地域とともに、かつて奥東京湾岸に位置していました。縄文時代早期には上谷遺跡がありましたが、規模は神野貝塚に比べて小さいものでした。上谷遺跡は、弥生時代中期から後期、そして古墳時代終末期以降にかけて、集落として栄えました。栗谷遺跡からは、弥生中期の方形周溝墓や日用品が出土しており、当時の無階級社会の様子が伺えます。古墳時代になると、大型の方形周溝墓が現れ、階級社会が成立したことがわかります。

奈良時代には、栗谷・上谷遺跡で住居が急増し、集落が集約化されました。律令体制下では、「印旛郡村神郷」に属し、村上地域と同じ特徴を持つ集落でした。8世紀から9世紀中期に最盛期を迎え、その後衰退しました。

中世

平安時代には、臼井氏の支配下となり、鎌倉時代には千葉氏が勢力を伸ばしました。南北朝時代には、保品郷の土地を巡る訴訟が起こり、「星名」の名称が見られます。戦国時代には、印旛沼西端に保品竜害城が築かれました。水運の監視場として利用されたと考えられています。

近世・近代

江戸時代には、保品村は佐倉藩の支配下に入りました。印旛沼に面していたため、水害が絶えませんでした。1889年には阿蘇村の大字となりました。1892年には、清宮清五郎が水害対策のために保品締切同盟会を結成しましたが、利根治水協会への加入により断念しました。戦後、印旛沼干拓が進み、阿宗橋が架けられました。

現在の保品

保品地域には、東洋バスもえぎ野車庫、東京成徳大学、八千代ゴルフクラブ、八千代市少年自然の家などの施設があります。また、毎年夏には新川沿いで「八千代ふるさと親子祭花火大会」が開催されます。

公共交通は不便な地域ですが、循環バスが運行されています。近隣には、下高野、米本、神野、堀の内、印西市吉田、佐倉市先崎などの地域があります。

保品は、豊かな自然と歴史、そして新しい街づくりが共存する、魅力的な地域です。

もう一度検索