保国勲章

保国勲章について

保国勲章（ほこくくんしょう、朝: 보국훈장）は、大韓民国が国家安全保障に貢献した個人を称えるために創設した勲章です。この勲章は、1961年7月26日に始まり、1963年12月には公式に賞勲法に基づいて制度化されました。その後、1967年1月に勲章の名称が現行名に改正されました。

授与の対象

保国勲章は、国家安全保障に顕著な貢献をした者に授与されることが、賞勲法第15条によって定められています。具体的には、警察や消防、軍の関係者が主に受章の対象となっています。これにより、国の安全を守るために尽力した人々に対する評価が制度的になされる仕組みです。

等級とその変遷

保国勲章は現在、5つの等級に分かれています。各等級の名称は、賞勲法施行令第11条により規定されています。もともとは1961年に制定された際、7つの等級がありましたが、1963年からは5等級に改訂され、現在に至ります。これらの等級は1970年の施行令改正によって正式に名称が定められました。なお、保国勲章の下位には保国褒章（ほこくほうしょう）があります。

意匠とデザイン

保国勲章は、そのデザインも特徴的です。各等級の意匠は賞勲法施行令第13条で明文化されており、基本的には章と綬（リボン）で構成されています。正章、襟章、略綬のセットが用意され、上位2等級のうち統一章や国仙章には副章も添えられています。

章飾には、中央に太極と四卦の図があり、そこから六稜の紅白光線と鏃のような形状が伸びているデザインが施されています。特に正章の章には鬼面の鈕が付いているため、視覚的にも印象深いものになっています。また、各等級ごとに異なる綬の色が設定されています。例えば、統一章は紫色、国仙章は藍色、天授章は赤色、三一章は薄黄色、光復章は緑色といった具合です。

正章は佩用方法が異なり、統一章は右肩に下げる大綬章、国仙章と天授章は喉元に帯びる中綬章、三一章と光復章は左胸に付ける小綬章として用いられます。上位2等級の副章は、左胸に添えられる星章となっています。

また、保国褒章は光復章と同様の小綬章ですが、金属部品は銀色で、綬は黄色地の中央に白線が入るデザインが採用されています。さらに、予備軍の業務関連で授与される予備軍褒章は保国褒章に酷似した意匠ですが、上位の勲章を持つことはありません。

最後に、従来は男性用と女性用の章の寸法が異なっていましたが、2015年の施行令改正により、男性用の規格に統一されました。これにより、外見的にも公平性が保たれるような形に進化しました。

保国勲章は、国家の安全に寄与した者たちの功績を称える重要なシンボルとなっており、歴史的にも文化的にも大変意味のある勲章です。

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