保津 (砲艦)

保津 (ほづ)

保津は、日本海軍が運用した砲艦であり、勢多型砲艦の三番艦として知られています。その艦名は、京都府を流れる保津川に由来しています。

艦歴

保津は三菱神戸造船所で建造され、その後解体されて漢口に運ばれました。そこで揚子江機器有限公司によって組立が行われました。そして1923年11月7日に竣工し、当初は二等砲艦に分類されました。

1931年6月1日、保津は砲艦に類別変更され、翌年に起こった第一次上海事変では、上海や長江沿岸での警備任務に従事しました。その後の日中戦争においては、上海での陸上作戦を支援し、長江を遡る作戦に参加しました。太平洋戦争中には、長江流域の警戒任務を任されました。

しかし、1944年10月1日には軍艦から外れ、艦艇の砲艦に変更されました。1944年11月26日、安慶付近で座礁し、12月5日には中国軍機の攻撃を受け、大破して海底に沈みました。運命の1945年5月10日には除籍され、後に解体されました。

艦長

艦長としては、以下の軍人が在任していました。

• - 艤装員長: 野口幸一 少佐 （1922年11月20日 - 1923年11月7日）
• - 艦長:

- 野口幸一 少佐 （1923年11月7日 - 1924年12月1日）
- 有馬直 少佐 （1924年12月1日 - 1925年1月15日）
- 池田七郎 少佐 （1925年1月15日 - 11月17日）
- 岩原盛恵 少佐 （1925年11月17日 - 12月1日）
- 関田繁里 少佐 （1925年12月1日 - 1927年5月1日）
- 堀勇五郎 少佐 （1927年5月1日 - 1928年11月1日）
- 増田康彦 少佐 （1928年11月1日 - 1929年11月30日）
- 鎌田道章 少佐 （1929年11月30日 - 1930年12月1日）
- 森良造 少佐 （1930年12月1日 - 1932年3月15日）
- 小島正 少佐 （1932年3月15日 - 1933年1月17日）
- 清水健 少佐 （1933年1月17日 - 1933年11月1日）
- 長井満 少佐 （1933年11月1日 - 1934年5月15日）
- 中津成基 少佐 （1934年5月15日 - 1935年11月15日）
- 高尾儀六 少佐 （1935年11月15日 - 1937年3月1日）
- 上田光治 中佐 （1937年3月1日 - 1938年3月22日）
- 大橋恭三 中佐 （1938年3月22日 - 1938年11月15日）
- 河野康 中佐 （1938年11月15日 - 1940年10月15日）
- 神川茂紀 少佐 （1940年10月15日 - 1941年7月15日）
- 神本信雄 少佐 （1941年7月15日 - 1945年）

同型艦

保津の同型艦には、勢多、比良、堅田があります。

脚注

参考文献には、

• - 呉市海事歴史科学館が編集した『日本海軍艦艇写真集 航空母艦・水上機母艦』（2005年）
• - 片桐大自の著書『聯合艦隊軍艦銘銘伝』普及版（2003年）
• - 海軍歴史保存会による『日本海軍史』第7巻、第9巻、第10巻（1995年）

なお、『官報』にも関連情報があります。

関連項目

大日本帝国海軍が運用した艦艇一覧についても合わせてご覧ください。

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