保科正英

保科 正英（ほしな まさふさ）の生涯と家系

江戸時代前期において、上総国飯野藩の世嗣として名を馳せた保科正英。この歴史的人物は、旗本寄合席に位置しており、その通称は百助や主水で知られています。彼は、旗本保科氏の初代当主であり、家系や経歴には多くの興味深い要素が含まれています。

出生と初期の経歴

保科正英は、但馬国出石藩の藩主である小出吉英の三男として生まれました。母は貞松院で、父方の影響を受けながら育っていきます。彼は、母の兄である保科正貞の養子となり、1640年12月26日、寛永16年に徳川家光に初めてお目にかかる機会を得ました。

しかし、彼の運命は厳しく、その後廃嫡されてしまいます。このため、飯野藩の嫡子の座は、養父の長男である正景が引き継ぐこととなりました。正景が飯野藩主となると、正英は安房国長狭郡に2000石を分知され、旗本寄合席の地位を得ることになります。こうした回り道を経て、彼の人生は少しずつ形を持ち始めます。

家庭と子息

保科正英は、長男小出英勝を持ちましたが、こちらは父・吉英の養子となり小出姓を名乗ることになります。次男の正静は、家督や知行を引き継ぐこととなり、彼もまた影響力を持つ人物となります。英勝、正静ともに武家社会の中で大きな役割を果たすことになります。

隠居と晩年

延宝3年に家督と知行を次男の正静に譲る形で隠居し、その後の生活は穏やかなものだったと思われます。残念ながら、延宝6年（1678年）に68歳でこの世を去ることになります。彼の墓所は麻布の天眞寺にあり、代々の葬地として使われています。法名は「是即」であり、その名に恥じぬように生涯を全うしたことでしょう。

系譜

保科正英の家系は、以下の通りです。父は小出吉英（1587-1666）、母は貞松院（1591-1664）で、彼女は保科正直の娘です。また、養父には保科正貞（1588-1661）がいます。正英の正室は井上庸名（淡路守）の娘であり、この結びつきがさらに彼の家族の歴史を彩ります。

なお、生母が不明な子女も存在し、正英には様々な関係性が複雑に絡み合っています。次男の正静もこの家系において重要な位置を占めています。正英の兄は小出吉重（修理亮）であり、武鑑の記録によれば、正静の父を「保科主水」とではなく「小出修理」としている点については、不明な理由が残されています。

参考文献

彼に関する資料として、以下の文献が挙げられます。『新訂寛政重修諸家譜 第4』（続群書類従完成会、1964年初版）、および『改定増補 大武鑑 上巻』（橋本博、1965年、名著刊行会）です。これらを通じて、保科正英の生涯についての理解を深めることができるでしょう。

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