俠道会

俠道会の歴史と展開

俠道会（きょうどうかい）は、広島県尾道市を本部とする指定暴力団であり、2023年末時点での組織人数は約60人です。その起源は、尾道市に存在した『高橋組』にさかのぼります。部隊の成り立ちや発展を振り返ることは、日本の暴力団文化を理解する上でも重要な一環です。

高橋組からの出発

高橋組は昭和20年（1945年）10月に、高橋徳次郎が広島県尾道市久保2丁目の遊郭に新しい住まいを構え、そこから博打をスタートさせたことが始まりです。彼は自宅に「高橋興行部」という看板を掲げて興行業に取り組みながら、自身は賭場の運営に注力しました。日立造船で働いていた森田幸吉が彼から盃を受け、若衆となったのも、この頃の話です。

地方政治と引退

昭和26年（1951年）、高橋徳次郎は尾道市市議会議員に立候補し、見事に当選を果たしました。その後彼は、ヤクザ業界を引退し、賭場経営を森田幸吉に引き継ぎました。その後も高橋徳次郎は、昭和30年（1955年）に広島県県議会議員として当選し、地元政治に深く関与していきました。

抗争と再編

昭和42年（1967年）には、波谷守之の取り計らいで美能組との和解が試みられ、抗争が勃発することとなりました。その後、地元警察への圧力から逮捕者が出る中、組織の形態は揺らぎました。特に昭和44年（1969年）には森田幸吉が高橋組を基盤として「俠道会」を結成し、尾道市周辺の暴力団組員を集めることとなりました。これが後の俠道会としての新たな出発点となります。

広がる勢力と抗争

俠道会の設立後、昭和44年11月に発生した共政会との喧嘩が、第三次広島抗争の引き金となります。森田幸吉はさらに、高知や愛媛に支部を設立し、地域を越えた勢力を展開しました。しかし、この広がりは必ずしも平穏無事ではなく、抗争や内部分裂、さらにはリーダー層の暗殺事件などが続きました。

代替わりと現状

1989年には森田幸吉が病により亡くなり、彼の弟である森田和雄が二代目の会長に就任します。その後、俠道会は1993年に広島県公安委員会に指定暴力団として登録され、さらなる組織化と影響力の拡大を図ることになりました。

組織の構成

現在の俠道会は、池澤望（本名：渡邊望）が総裁を務め、数名の副会長や理事長が中核を成しています。組織内は綿密な上下関係で構成され、幹部や直参のメンバーがそれぞれの役割を担っています。

結論

俠道会は、長い歴史と多くの変遷を経て現在に至る暴力団組織として、日本の形のある一部として定着しています。組織内の抗争や地域との関係性は複雑ですが、彼らの存在は忘れられがちな日本の社会の一面を映し出しています。同時に、俠道会自体も時代の波に身を委ねながら度重なる再編成を続けています。その内容は、今後も目が離せない重要なテーマでしょう。

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