信濃史学会

信濃史学会は、長野県の郷土史研究を目的とした学術団体です。その活動は、歴史学、民俗学、考古学、人文地理学といった多様な分野に及び、地方史の総合的な研究を推進しています。

歴史

信濃史学会の起源は、昭和7年（1932年）に設立された「信濃郷土史研究会」に遡ります。郷土史家の栗岩英治氏や、第六十三国立銀行の町田礼助氏らが中心となり、機関誌『信濃』を創刊しました。この最初の『信濃』は、後に「第一次『信濃』」と呼ばれることになります。

昭和17年（1942年）には、一志茂樹氏が研究会を引き継ぎ、「信濃史学会」と改称。同時に、機関誌も「第二次『信濃』」として新たなスタートを切りました。しかし、昭和20年（1945年）3月、戦時下の出版統制により、学会は信濃毎日新聞に機関誌の発行を委譲し、一時的に解散を余儀なくされます。

同年5月、一志氏を中心とするメンバーによって「信濃郷土史研究会」が再結成され、機関誌は「第三次『信濃』」として復刊を果たしました。その後、昭和32年（1957年）に再度「信濃史学会」と改称し、現在の形に至ります。

平成11年（1999年）には、日本学術会議から協力学術研究団体として認定されており、その学術的な貢献が広く認められています。

活動内容

学会の主な活動としては、機関誌『信濃』の発行が挙げられます。当初は機関誌の発行が中心でしたが、昭和38年（1963年）からは、年4回（春期総会、夏期、秋期、冬季例会）の学会活動として、会員の研究発表や、県内外の招待学者による特別講演会を開催しています。これらの活動は、会員間の交流を深め、研究の進展に貢献しています。

また、昭和44年（1969年）以降、数回にわたり地方史研究全国大会を開催しており、全国の研究者との連携も積極的に行っています。これらの大会は、地方史研究の発展に大きく貢献しています。

会長

現在の会長は、後藤芳孝氏です。2022年（令和4年）から会長を務めています。

参考文献

信濃毎日新聞社開発局出版部 編『長野県百科事典』信濃毎日新聞社、1974年。

関連項目

信州学

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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